(撮影/有高唯之)
1941年に公開された古典的怪奇映画『狼男』が、ハリウッドを代表する演技派俳優ベニチオ・デル・トロ主演でリメイクされた。『ラスベガスをやっつけろ』(98)では20kg増量して奇人弁護士に、『チェ』2部作(08)ではキューバのフィデル・カストロにまで面会して、革命家チェ・ゲバラへの役づくりに取り組んだ。プロデュースも兼ねた本作では、4時間かけた特殊メイクで狼男に変身し、善良な人間の中に潜む暴力性、残虐性がふとしたきっかけで顕在化していくという現代的テーマを伝える熱演を見せている。近年はアカデミー賞助演男優賞を受賞した『トラフィック』(00)や『21 グラム』(03)などシリアスな役が多いが、南国プエルトリコ出身らしく、インタビュー内容はくだけた中に温かい人間味を感じさせるものとなった。
──テリー・ギリアム監督の『ラスベガスをやっつけろ』で演じたゴンゾー弁護士、サイコーでした!
ベニチオ・デル・トロ(以下、デル・トロ) いやぁ、ありがとう。うれしいこと言ってくれるね(笑)。