米軍や国際治安支援部隊(ISAF)による誤爆で、農民や遊牧民らが日常的に殺されている現状については、本誌2月号でお伝えした通り。その後もNATO軍らによる誤爆事故が連日報じられるなど、巻き添えで殺される罪のない一般人の数は増え続けている。アフガニスタンを中心に戦地取材を続けるジャーナリストの西谷文和氏から、混迷極めるアフガニスタンの最新情報を伝えてもらった。
冬は氷点下10℃にまで達する中、薄手の服一枚でしのぐ子どもたち。暖を取るために火に近づきすぎ、火傷をするという二次的被害も続発しているという。(写真は西谷氏)
──前回の報告で米軍やISAFによる誤爆被害を伝えてもらいましたが、誤爆は相変わらず後を絶ちませんね。
西谷 むしろ悪化する一方です。誤爆で大量の一般人が殺されていること自体が大変に悲惨なことですが、より深刻な事実は、米軍が劣化ウラン弾を使用していることです。戦車砲などに使われる劣化ウラン弾は貫通能力も高く、弾頭自体が着弾時に発火するなど焼夷効果も高い。戦争道具としては優れた特性を持ちますが、核廃棄物である劣化ウランを再利用して作られるため、使用済み弾丸から出る放射能被害が指摘されています。
──湾岸戦争やボスニア紛争でも、大量の劣化ウラン弾が使用されたようですが。