FX裏工作
FX業者が、ロスカットギリギリで取引している投資家を狙う、「ロスカット狩り」という操作
すでに頭打ちのFX取引。これ以上ユーザーの信用を失わなければいいが……。
4億円脱税主婦(07年にFXの利益分を脱税し、起訴された個人投資家の主婦)の登場などで話題となったFX(外国為替証拠金取引)。昨年はテレビCMも解禁となり、一般投資家への認知度も一気に高まっている。
だが、そんなFX業界に今、金融業界ではタブーな、ある疑惑が浮上している。その名も「ロスカット狩り」だ。
「ロスカット」とは、そもそも投資家保護を目的とした制度。株式のような値幅制限(1日に変動できる株価の範囲)がないFXでは、相場が急落した場合、投資家が預け入れている証拠金(担保金)額以上の損失を被るリスクがある。そのため、証拠金残高に対し、損失が一定の割合【註1】を超えると業者が強制的にポジション(未決済の取引)を決済し、損失を限定するロスカット機能が標準装備されている。
ところが最近、このロスカットをめぐり、「為替レートの動きが不自然では?」という疑惑が浮上しているのだ。