――「なんとなく厄介なもの」と思いがちな"宗教"。そのイメージを逆手に取り、古今東西の各種宗教への解釈をエンタメとして昇華させた書『完全教祖マニュアル』が、いま密かに評判だ。同書の著者に、併せて読みたい「宗教を気楽に知るための5冊」を選んでもらった。
辰巳一世(写真左)/1981年、静岡県生まれ。横浜市立大学国際文化学部卒。架神恭介(写真中央)/1980年、広島県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。作家・フリーライター。両者の共著として『よいこの君主論』(ちくま文庫)など。脇雄太郎(写真右)/1980年、東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。
──架神恭介さんと辰巳一世さんのお2人は、以前から『完全パンクマニュアル』や『完全HIP HOPマニュアル』(ともにシンコーミュージック・エンターテインメント)、『よいこの君主論』(筑摩書房)など、ユニークなマニュアル本を手掛けていて、一部で話題を呼んでいました。そして、そこに脇雄太郎さんを交えた3人で制作に挑み、今年11月に新たに発表されたのが『完全教祖マニュアル』です。本書では教祖を「多くの人をハッピーにしながら、大きな尊敬を受ける素敵なビジネス」と捉え、伝統宗教から日本の新興宗教までを徹底的に分析し、教義の作成法や信者獲得の仕方、金の集め方など、「教祖としてサクセスするための秘訣を教える」という形で「宗教とは何か」を実践的に解説しています。今回、よりによって「宗教」というネガティブにとらえられがちな存在を題材に選ばれたのはなぜなのでしょう?