ゼロ年代、と呼ばれた10年が終わる。国内カルチャーにとってこの10年は、古いものがどんどん無効化され、新しいものが次々と勃興していった時代だった。たとえば、90年代のサブカルチャーは某出版社が象徴するように、もう少しアングラ感のあるものだった。『完全自殺マニュアル』「クイック・ジャパン」『スキゾ/パラノ・エヴァンゲリオン』。どれも当時私が夢中になって読みふけった本だ。氷川竜介『20年目のザンボット3』は、永遠のバイブルのひとつだ。ところが私見では、こうしたカルチャーの存在感はゼロ年代に入ってガタ落ちする。