本文では芸能プロ側の思惑について述べたが、実際にイベントに足繁く通うファンたちは、これらの地下アイドルユニットのどこに魅力を感じているのか?
「大手プロ所属にもかかわわらず、タレントとファンの距離が異常に近いのが面白いんです。例えばももいろクローバーは、都内在住の濃いファンは100人程度でしょう。で、彼女たちは今年の夏休みはほぼ毎日イベントがあって握手したりしてましたから、本人たちもこちらの顔と名前がほとんど一致している(笑)。車中泊で全国を巡業したり、東京で連日イベントがある時は、地方在住の子は事務所の仮眠室に泊まるんですよ!洗濯まで自分でこなして。そんな頑張りを知ったら、もう応援せざるを得ないじゃないですか!」(24歳のももクロファン)
キャナァーリ倶楽部も、つんく♂プロデュースにもかかわらず、かなり地下アイドルらしい仕事を続けているという。
「いまだに、石丸電気で100人前後の客を前にライブをやってるんです。メンバーのひとり・内田由麻の7月に行われた単独イベントなんて、参加者はたったの30人(苦笑)。その点、ライブの少ない今の9 nineは魅力が薄いかも。結成当初の路上ライブは、カメラも撮り放題で楽しかったのに……」(26歳のキャナファン)
大手プロ所属であるがゆえ、将来ブレイクする者がいるかもしれないのも特徴のひとつだ。
「でも、正直ブレイクはしてほしくないですね。我々ヲタとの距離が近いまま、現状維持で活動を続けてくれるのが理想です!」(前出のももクロファン)
なんともアンビバレントな地下アイドルファン心理。ブレイクを望まないファンたちの応援によって、今日も地下アイドルはライブに握手会に精を出すのである……。