総選挙以上に注目を集めた、押尾学と酒井法子によるドラッグ事件。ただ、酒井に関する報道に比べ、押尾事件は捜査も報道も控え気味だったといわざるを得ない。
「所轄の麻布署は、当初から、変死したTさんの遺族に対して『事件性はない』と言い切っていた。一方で、Tさんの携帯電話が証拠隠滅と思われるような捨てられ方をしていたり、押尾がドラッグ常習者だった疑惑が浮上したりと、事件性をにおわせる状況も出てきた。にもかかわらず、麻布署を中心とした捜査当局は煮え切らない態度をとり続けている。それゆえに、各方面から圧力の存在が噂されているんです」(芸能ライター)
圧力説の根拠となっているのが、Tさんが勤めていた銀座のクラブに押尾と一緒に出入りしていたA氏。A氏は、パチンコ業界のみならず、格闘技界の黒幕ともいわれている投資家で、半ば芸能界を追放されていた押尾をエイベックスに入れる仲介役にもなっている。
押尾はさらに、大手パチンコ機器メーカー会長のY氏や、同じくパチンコ機器メーカー社長のI氏とも親しく、特にI氏の息子とは、かなり親密な間柄だったようだ。
「パチンコ業界といえば、警察OBの天下り先。そのため、押尾の背後にいるパチンコ人脈が圧力をかけたのではないか、との声が囁かれたんです。実際、『パチンコ業界とつながりが深い警察OBの政治家が動いた』と、右翼団体も麻布署の前で街宣をしてましたね」(前出・芸能ライター)
事件の舞台となった部屋には、押尾以外にも多くの芸能人、政財官界の関係者が出入りしていたとされる。芸能人でいえば、エイベックスやジャニーズ事務所のタレントたちだ。
「今回の事件と関係していたとまでは言えませんが、特に、麻布署はジャニーズタレントについて調べていましたね」というのは、社会部の記者。
「Tさんが勤めていたクラブの関係者が事情聴取をされたときも、ジャニーズのことばかり聞かれたそうです。ベテランのHやかねてから奇行が指摘されてきた若手のAやTに関しては、部屋に出入りする写真を当局が入手したという情報もあった。ところが、ある日を境に、パタリとジャニーズに対する捜査が止まったんです」(同)
ここで出てきたのが、今は現役は退いている大物政治家のN氏。ジャニーズ事務所社長と昵懇のN氏が、ジャニーズ方面へ捜査がシフトするのを食い止めたという噂が流れたのだ。
「そのほか、部屋の借り主である野口美佳・ピーチジョン社長から連なる人脈への捜査を食い止めるべく、野口をかわいがる経済界の重鎮Iも動いたともいわれます。野口、押尾グループには、関西実業界を裏で仕切る人物の息子も入ってましたからね。さらに息子といえば、自民党大物政治家Mの息子の名前も出てきています」
このMの息子に至っては、事件の数日前、押尾と銀座のクラブ「R」に出入りしてい姿を目撃されており、事件当日も現場にいたのではないかと目されているのだ。
事件の背後にこれほどまで"大物"の存在が見え隠れするとなると、当局もそう簡単には手を出せない。しかし、前出の社会部記者は、「外部からの圧力というよりは、警察自身が自重しているんですよ」という。
「彼らにとって一番の問題は、例の部屋に警察官僚が出入りしていたことですよ。ドラッグ常習者が出入りしていたような場所に警察関係者がいたとなると、メンツが丸つぶれですからね。現場の捜査関係者も、『これはあまり深入りするべき案件じゃない』と感じているようです」(同)
怪事件の真相は、このまま闇に葬り去られてしまうのか?
(編集部)