ガチで当てにいきます!サイゾー的鳩山内閣閣僚リスト
(絵/金子ナンペイ)
──オヤジ系週刊誌で散見される「鳩山内閣予測閣僚リスト」を本誌でも作成。"本誌予測打率"はいかに!?
[1]【総理大臣】
鳩山由紀夫(62)
"故人献金"問題を国会審議で追及されることは必至。96年に「週刊新潮」(新潮社)で"室蘭の美人ホステスと10年来、愛人関係にある"と報じられ、これを週刊誌などが再度アプローチしているとの噂。さすがに2回目の下半身醜聞は......ないか?
[2]【農林水産大臣】
亀井静香(72)
現国会議員の中で、もっとも"権力に近づきたくて仕方がない男"だけに、そこそこの閣僚ポストを与えて黙らせておきたい。広島県の農村生まれだけに、農水行政には一家言あり、農水省トップが適役。
[3]【防衛大臣】
前原誠司(47)
防衛や外交分野では、鳩山氏も一目置く。実は本人いわく「防衛オタクより鉄道オタク」。公務を抜け出して鉄道撮影に赴くこともあったとか。
[4]【環境大臣】
蓮舫(41)
参議院の当選1回ながら、民主党女性議員で最も発言力がある。能力は認められるものの、「仕草が鼻につく」とやっかむ議員は多い。元キャンギャルという美貌を生かしたテレビ出演も高評価!
[5]【国土交通大臣】
田中康夫(53)
衆議院への鞍替えにより、背水の陣を組んだことで、当選しさえすれば、閣僚入りはまず確実。長野県知事時代の「脱ダム」を支持する声も大きい。
[6]【厚生労働大臣】
野田佳彦(52)
厚労行政とは縁がないが、民主党随一の演説のうまさ、そして酒量で、官僚の心をつかむことを期待。ただ、酒量のみならず酒グセの悪さが......。
[7]【財務大臣】
岡田克也(56)
大蔵省主計官、同大臣を務め、金融知識は他を圧倒。次期衆院選は不出馬のため民間からの起用となることと、77歳という高齢のため、激務の財務大臣を避けた。
【官房長官】
菅 直人(62)
メディア対応、閣僚や官僚への根回しなどオールマイティにこなせるのは、民主党ではこの人くらい。総理の芽がないとなれば、都知事選出馬の可能性も。鳩山同様、99年に「週刊文春」(文藝春秋)にて"不倫疑惑"が報じられた。「一夜は共にしたが、男女の関係はない」との釈明は流行語にもなった。
【総務大臣】
原口一博(50)
橋下徹大阪府知事と公開の場で会談したことで、自身が「次の内閣」総務大臣であることをしっかりアピール。その後も橋下サイドと密に連絡を取り合っている。
【外務大臣】
寺島実郎(62)
多摩大学学長。民間からの起用。鳩山の大のお気に入りで、合宿や勉強会に、これでもかというほど頻繁に招いていた。
【内閣府担当大臣】
松井孝治(49)
NC大臣。「政権移行プロジェクト」を中心になってまとめている。「橋本行革」の立役者で、当時、「松井内閣副参事官」の名は霞が関に轟いた。
【金融担当大臣】
藤井裕久(77)
大蔵省主計官、同大臣を務め、金融知識は他を圧倒。次期衆院選は不出馬のため民間からの起用となることと、77歳という高齢のため、激務の財務大臣を避けた。
【年金担当大臣】
長妻 昭(49)
「消えた年金」追及で一気に全国区の知名度を得た。その功労ゆえ、NCでは新しく作られた大臣ポスト。霞が関から最も嫌われてきた議員だけに、官僚たちがついていくかどうか。
【経済産業大臣】
松本剛明(50)
金融、財政に詳しく、政調会長を務めた。野田佳彦のグループにいながら、この代表選挙で鳩山支持を打ち出し、いつの間にか鳩山ブレーンの仲間入りをしている八方美人。
【法務大臣】
仙谷由人(63)
弁護士というキャリアを生かして、党の憲法調査会会長を務めた。民主党結党以来の重鎮で政策通だが、胃がんの摘出手術をしており、健康に不安も。
【文部科学大臣】
小宮山洋子(60)
NC大臣のひとり。民主党女性議員の中で、地に足のついている数少ない人物。小沢前代表を猛然と批判するなど、言うべきことは言えるタイプ。
【子供・男女共同参画担当大臣】
福島瑞穂(53)
参議院で連立を組んでいる以上、社民党から入閣させねばならない。来年の参院選で民主党が単独過半数を取り、おさらばしたいところ......というのが本音だろう。
もはや気の早いメディアの関心は、衆院選の議席うんぬんより、民主党政権になると政局はどうなるかに向かっている。30日に投開票される衆院選では、政権交代が行われ、鳩山政権の誕生が確実視されているが、ここでは鳩山由紀夫総理が実現した時の閣僚人事を予想してみたい──。
「1996年の民主党結党の際、『排除の論理』で旧大蔵大臣などを歴任した武村正義を切ったかと思えば、02年の菅直人が代表3選目を迎えたときには、代表戦出馬を辞退した中野寛成を幹事長に起用する露骨な論功行賞人事を行い、批判を浴びた。また、野田佳彦、仙谷由人など、側近が次々に離れているのに意に介さない。つまり、民主党は人事を深く考えない政党なんだ」(民主党ベテラン議員)
政権交代が叫ばれる中、民主党官僚予測と一緒に、彼らが抱えるスネの傷も検証してみたいのだが、現在民主党には「次の内閣」(ネクストキャビネット、以下NC)なる人事があり、当初は「それがそのまま移行するのでは」とも言われていた。が、「NC大臣ご本人はその気だけどね(苦笑)。民主党の場合、NC人選は代表でなく政調会長が決めてきたし、現在の布陣は小沢一郎代表時代のもの。鳩山政権では数人残す程度じゃないかな」(民主党幹部)というのが定説になっている。
さて、政権交代となれば鳩山由紀夫総理大臣が誕生するのだが、"故人献金"問題が国会で追及されるのは間違いない。
「脱税の疑いもあり、捜査当局が動けば一発でアウトな事案。ただ、野中広務や亀井静香のような追及型議員は自民党にもはやいない。世間の関心も薄く、あっさり逃げ切るだろうね」(自民党関係者)
内閣の女房役である官房長官は、菅直人代表代行。民主党がここまで来たのは「鳩菅」がいたからこそであり、誰もが納得の人事だ。
「すでに官房長官気取りの平野博文役員室長、小沢鋭仁氏がいるが、いかにこの職が大切かは、閣僚たちにいいように振り回された(麻生内閣の)河村建夫官房長官を見れば明らか。ほぼ毎日情報発信するだけでなく、閣僚や党の調整役も担う。それをこなせるのは菅氏くらいだよ」(民主党担当記者)
そんな鳩山と菅に共通するのは、過去に女性スキャンダルが報じられたことだが......。
「スキャンダル以降、2人とも奥さんに頭が上がらなくなり、恐妻家のイメージが定着したからね。女性記者を特別扱いすることもせず(笑)、かなり慎重になっている」(同)
また、鳩山新内閣で鉄板なのが長妻昭氏の年金担当大臣。現在の内閣にないポストだが、NCでは長妻氏のためにつくられたものだ。
「厳格な追及で"ミスター年金"の名を授かったけど、役人連中にはとことん嫌われている。質問主意書を出しまくって役所を機能不全に陥らせた過去があるし、気に食わない説明をする官僚を議員会館の部屋の外に立たせて懺悔させたことも(笑)。そのお返しとばかりに、あてつけのように仕事を停滞させるかもよ」(厚労省担当記者)
民間枠で確実視されているのが、三井物産出身で米国通の寺島実郎多摩大学学長。鳩山グループ議員が"うんざりするほど"勉強会に招いており、鳩山代表の大のお気に入りだ。
「日ごろからスキャンダルに気をつけている議員に比べると、脇が甘いだろう。渋いルックスだから女にモテるはずだし、三井物産時代の浮いた話が出てもおかしくはないよ」(週刊誌記者)
最重要ポストの人事と小沢一郎の処遇は?
最重要閣僚の財務相は岡田克也幹事長。一時は榊原英資元財務官の名が取り沙汰されたが、それは小沢一郎代表時代まで。
「『政策ロボット』を期待しての起用だけど、"岡ジョンイル"と陰口を叩かれるように、実は強権的。政権交代が現実味を帯びるや、党内の若手を引き連れて食事をするようになったけど、座持ちが悪く、ともかく人望がない。党を仕切らせるより、霞が関に置いたほうが得策だよ」(民主党議員)
防衛大臣は前原誠司副代表で決定。
「党内外から認められる防衛通だが、実は熱烈な鉄道オタク。公務の合間を縫っては鉄道撮影に出かけており、大臣になっても変わらないだろう。いずれ公私混同ぶりが指摘されるだろうね」(前原氏側近)
自民党同様、やっかいなのは連立を組む国民新党、社民党、新党日本の面々だ。民主党結党以来、辛抱強く野党暮らしを味わってきた古参たちのやっかみ対象になるのは必至である。
「中でも亀井静香は、民主党を引っかき回したいハズ。閣僚入りさせなければまたうるさいし(苦笑)。獅子身中の虫だよ」(野党担当記者)
さて、民主党の最大のウリは霞が関打破。そのため、衆院選後、「首班指名までに数週間かける」とか、「さらに3日かけて閣僚を決める」など、霞が関対策の勉強期間を設けるプランがある。だが官邸関係者は「非現実的だ」と一蹴する。
「組閣する前に、災害などの非常事態があれば、『職務執行内閣』として麻生内閣が請け負うことになる。過去にこうした例はあったが、それは同じ政権での話。政権が変わって盛り上がっている時に、麻生内閣がきっちり仕事をすれば『やっぱり自民党は安定感がある』となってしまうから、組閣はあっという間だよ」
また、同時期に予想されるのが小泉チルドレンのような、大量の1年生議員の誕生。当選後は新人議員対象の合宿が予定されているが、彼らは"鳩山チルドレン"ではなく"小沢チルドレン"となる。なぜなら、「小沢やその秘書たちが、全国の候補者の選挙指導を行い、カネも配っているから、新人は小沢シンパになるんだ。小沢系議員は衆参合わせて100人には膨れ上がるだろう」と小沢系議員の鼻息は荒い。さらに続ける。
「鳩山体制で小沢が意のままにならなければ、集団離党して、自民党のいい人材を集めて新党をつくるだろう。そもそも小沢は鳩菅がつくった民主党に愛着がないわけだから」
鳩山邦夫、中川秀直、加藤紘一らを中心に、選挙後の新党構想が公然と語られる中、自民党は権力闘争の経験がない民主党議員たちに揺さぶりをかけてくるだろう。決して安泰とは言えない鳩山新政権。本誌同様、マスコミが「閣僚予想」をしている今が華なのかもしれない──。
(取材・文/松井勉)