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高須基仁の暴言・放言・妄言録 私は貝になりたい 第48回

小向美奈子のストリップ、メディアは私に踊らされ三方みんなが得をした?

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――「しゃべるな!」と言われたことを、あちこちでしゃべりまくり、命まで狙われたこともあるというタカス。周囲から怒られる度に「貝になる」と誓うのだが、その放言癖はいまだ健在だ。

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田母神俊雄氏ほか、私の対談集『国粋ニッポン闘議』(春日出版)に出演頂いた対談相手の皆さん。

 小向美奈子のストリップ騒動。これを一言でいえば、"三方一両得"である。メディアは私の手の中で久しぶりに完璧に踊った。
 小向美奈子にとっていちばん大切なことは、クスリとの決別だ。決別するには、病院か薬物依存症のリハビリ施設「ダルク」に入るしかない。田代まさしや高橋祐也を見てもわかるように、一度薬物にハマった人間は、やりたくてしょうがないのだ。自分では律しきれないから、他人に監視されて再発を防止する。

 小向は毎日4回、素っ裸をさらす。観客は目が肥えているので、クスリをやっている体はすぐ見抜く。つまり、観客が監視役の「ロック座ダルク」。小向は、金を稼ぎながらクスリをやめる方法を発見したのである。

 しかし、小向の前事務所が出演差し止めの仮処分を申し立て、ストリップ出演は実現が危ぶまれた。ところが、これがまたいい方に転がった。

 小向なんてしょせんはB級タレント。ストリップ進出が決まったときに騒いでいたのは、ネットと一部の実話誌だけ。私が小向の父親を呼んで取材のセッティングをしたときも、来たのはスポーツ報知、夕刊フジ、「週刊新潮」の三媒体だけだった。

 それが、いざ初日を迎え、これだけ大騒ぎになったのは、出演できるかできないか、一悶着があったから。だからこそフジテレビの報道番組まで取材に入ったのだ。まあ、ストリップなんてそもそも違法・不法・無法。そこへ法を持ち出したって、言うことを聞くわけがないことは事務所側もわかっていたはずだ。

 今回、メディア側で最もすばらしい動きをしたのは、ショーの写真を盗撮して掲載した「フライデー」だ。ロック座側は、「盗撮したら300万円の罰金」なんて言っていたが、そんなもの法的根拠はない。掲載の英断を下した秋吉敦司編集長は、6月に就任したばかりでいきなり完売の快挙を成し遂げた。

 また、この掲載は、小向にとっても"得"となった。あのポチャッとした体を日本全国何十万という読者にさらすことにより、「クスリはやめた」ということを示せたからである。

 ロック座は、「フライデー」と「週刊現代」に対し出版差し止めの仮処分の申請をしたが、元「週刊現代」編集長の元木昌彦氏の要請で、私が水面下で処理をした。

 ロック座は久しぶりに日の目を浴びた。小向はクスリとの決別を証明できた。そして、昔の事務所は「売春斡旋、大麻汚染、低賃金」という悪いイメージを"出演差し止め"という法を持ち出すことでロンダリングできた。これぞ三方一両得である。

 ただ、残念だったのは、初日に300人のファンが並んだと報道されたが、実際は半分はメディアだったこと。愛染恭子のストリップデビューのときは1000人以上並んだ。もちろん、"ご開帳"を拝めるのはストリップくらいしかなかった80年代という時代のせいもある。しかし、それを差し引いても、ポルノ女優・愛染恭子と小向ではパワーが違った。初日を過ぎたら、小向はもう閑古鳥。こうなることがわかっていたから、私は初動を限界まで上げようと力を尽くしたのである。

 今回の件で私が加勢した理由はただ一点。浅草を守るため。石原慎太郎の歌舞伎町浄化計画でナイタイがスケープゴートとなり、歌舞伎町は瓦解した。その第2弾が吉原・浅草。先日、ソープの角海老が手入れを食らい、次はロック座に来ると動物的にわかった。これは私のささやかな抵抗だ。慎太郎、ふざけるな!

 ちなみに、小向にAV進出の噂があるが、クスリをやった女の子は少なくとも執行猶予中はAVには出られないという不文律がある。AV業界は、それほどに薬物に厳しいのだ。

 今後、小向がいつ"ご開帳"するかに注目したい。執行猶予中にしたら公然わいせつで実刑になるだろう。最低3年は見せられないが、それでも客を引っ張らないとならない。まずは、ストリッパーとしてトップを取ってほしい。ご開帳抜きでは非常に難しい道だが、トライしてほしい。

 ストリップは、女体礼賛の最大のスポットである。でべそ(前方にはりだした丸い舞台)に乗り出してみると、女のにおいもするし、質感もわかる。アメノウズメの時代から人々はストリップに魅了されてきた。男なら一度は行くべし。ストリップを経験しないで、いきなりネットに行くからおかしなことになるのだ。

 私はストリップと同種のエロイベントを毎月・新宿ロフトプラスワンで行っている。もっとも私のイベントは、ストリップよりもグロ+エロスで「グロス」だ。先日もまた放尿ショーをやってしまった。私のほうがはるかにレベルが低い。  (談)

高須基仁(たかす・もとじ)
中央大学経済学部卒業後、某玩具メーカーにて数々のヒット商品を開発。その後、紆余屈曲があって、出版プロデューサーとなり数々のヘアヌード写真集を手がける。別名、毛の商人。公式ブログ


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