──結成当初、日本のメディアへの露出は一切NGでしたよね?
KAMIJO(以下、K) 日本のメディアからまったく取材が来なかったんで、NGだったことにしただけなんですよ。
──えー!戦略かと思ってました。
HIZAKI(以下、H) 一番最初に取り上げてくれたのも、ドイツのメディアですし。
──YouTubeにPVをUPして、話題になりましたよね。
K YouTubeの広大な世界の中で、宝探しをしてもらいたいなと思ったんですね。ライブハウスに行く方々、音楽を好きな人たちっていうのは、常に自分が好きになれそうなバンドを見つけたいんですよね。だから、ネット上の宝探しで、僕たちが皆さんの宝になれたならうれしいことだと思って。
H ちょうどYouTubeに載せた時期がゴールデンウィークで、皆さん家にいるだろうから、イケるのでは?って。
──ネットといえば、バンド名のトラブルでYahoo!ニュースのトップになってましたよね。
K 初めはすごく軽くとらえてましたね。大した問題じゃないだろうと。ところが、よくよくマネージャーに聞いたら、弁護士から手紙が来て、「アメリカで使用する場合は使用料を払え」ってことだったんですよ。
──けがの功名というか、あのYah oo!ニュースで「Versailles」を知った人が多いと思うんですけど。
H Yahoo!を何げなく見てたら、「Versailles」って載ってて、メンバー全員がびっくりしました。
──この際ほかのバンド名にしちゃおうとか、考えなかったんですか?
K アメリカ国内での活動に限った問題だったので、「Versailles」って言葉は絶対に使おうと。
──それでは、バンド名の由来は?
H 以前僕が初めてバンド組んだとき、「Versaillesってどうか?」ってメンバーに言ったんですけど、本当にバカにされたんですよ(笑)。で、今回はなんとなく最初からVersaillesの方向に向かっていったんです。
──「方向」ってなんですか?(笑)
H 「Versailles」って言いたいんだけど、前の経験もあるから恥ずかしくて言えない(笑)。思い切って「例えばVersaillesってどうですか?」って聞いたら、全員一致でOKで。
K 僕たち、「薔薇の末裔」と名乗っているんですけど、「最強の薔薇のバンド」を作ろうってところから始まったんです。それにふさわしいバンド名かな、と。
──最初からビジュアル系バンドをやろうと思ってたんですか?
K はい。ロックバンドですから、化粧しないとつまらないですよね。
──HIZAKIさんは、あまたいるビジュアル系女形の中で一番美しいと思うんですけど、やっぱり研究ってしましたか?
H 研究というか、負けたくないんですよね。
K しかも、その相手は女の子なんですよ。
──意識してる有名人は?
H 浜崎あゆみさん。弱さを見せないところがカッコいいなって。
K 僕は元が良いんで(笑)、それを変えないようにしています。ステージではライトが当たるのでファンデーションを塗るんですけど、塗りすぎると凹凸がなくなって、のっぺらぼうに見えてしまうんですよね。だから僕は、あえて影を作って元の自分に近づけています。
──普段のスキンケアは?
H 人並みにはしてるんですけど、それよりも普段の生活で悪いものをカラダに取り入れないようにしています。新鮮な野菜や果物ってエネルギー高いんで、できるだけ食べたり、アロマやヨガなどの癒やしを進んで取り入れてますね。
K パックはしまくってますね。あとは、やっぱ女の子のエキスじゃないですか?
──おーっ!!
K 女の子の涙が僕の肌を潤してくれる。
──キタ───(・∀・)───!!!!
Versailles
ゔぇるさいゆ (写真右より)Gt.HIZAKI/Dr.YUKI/Vo.KAMIJO/Ba.Jasmine You/Gt.TERU 06年にKAMIJOとHIZAKIでバンドを構想、07年結成。08年、米国に同名バンドがすでに存在したことにより、米国での活動時のみ「Versailles」の後に何か単語を付けて新たな名前にすることを発表したところ、Yahoo!ニュースがこれを掲載、およそ90日間で30万件以上のコメントが投稿され、長期間コメント数ランキングを独占するという珍事が起きた。
メジャーデビューシングル
「ASCENDEAD MASTER」
(発売/ワーナーミュージック・ジャパン)
どーせ見た目だけでしょって、正直期待してませんでした。……ところが、キャー、超カッコいい!! エックスが好きな人は確実にハマるね。何がいいかって?王道なところですよ。王道な楽曲に、王道の超絶ギターソロ、倍速系ドラム、縁の下の力持ちに徹したベース、そして、いい意味で裏切ってくれたのが、滑舌のいいボーカル(笑)。エックスやマリスミゼルにしても、何歌ってんのか全然わかんないのよ!Versaillesは歌詞がちゃんと聞き取れていいわ!!
Kei-Tee的インタビュー後記
インタビューの受け方や内容が理想通りのコテコテV系で、「やっと会えたね」(辻仁成が中山美穂と最初に交わした言葉)という気持ちでいっぱいになりました(笑)。超キレイな女形でも、話すとみんな普通の人なことが多いんだけどさ、Versai llesの場合は違うんです。誰もが認める本物のV系なんです!! それは、私服、トークの間の空け方、笑っちゃうくらいのド直球リアクションのせいなのでしょう。「V系はマリスミゼルで終わった」なんて思っている人がいるなら、一度Versaillesを観てみてちょーだい。「V系理想像+α」を与えてくれる、数少ないバンドだと思うわ。とにかく、期待を裏切られないバンドなんて久々なんだから。
<筆者プロフィール>
けい・てぃー
1973年、東京都生まれ。"神に最も近い男"角川春樹の娘にして、角川春樹事務所顧問、出版プロデューサー。根っからのビジュアル系好きで、元バンギャルにして元アイドル。1歳の愛娘の子育てに奮闘中。自著に、自薦他薦セレブのインタビュー集『セレブの血』(ワニマガジン)がある。<http://keitee.com>