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そこまでして国民の気を引きたいのか!?

新型インフルさえ政争の具にした 舛添と麻生の"無責任茶番劇"

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MEMO新型インフル
インフルエンザA型H1N1とも呼ばれ、発熱やせき、鼻水、下痢など、季節性インフルエンザと似たような症状が出る。そもそも豚の感染症であり、人間のほとんどが免疫を持たないため、世界的大流行(パンデミック)が懸念されている。

「いいですか、冷静に聞いてください。では、発表します」

 充血した目をぱちくりさせながら、早朝や深夜に何度もテレビ画面に姿を現した舛添要一厚生労働相。日本中を震え上がらせた新型インフルエンザ対策の担当大臣とはいえ、その対応の過剰さは普通ではなかった。

 最初のピークは、5月1日午前1時すぎの会見。横浜市の男子高校生に簡易検査の陽性反応が出たときだ。「厚労省職員によるブリーフィングを急きょ大臣会見に切り替え、麻生政権の尽力ぶりをアピールしたんです。しかも『横浜からの連絡が遅い!』と高飛車な発言まで飛び出す始末。ところが、第2段階の詳細検査の結果は陰性。国民の混乱をあおるだけの会見でした」(厚労省担当記者)

 しかも舛添大臣、会見のたびに「水際で食い止める」と強調。成田空港から一歩たりとも感染者を外へ出さない、と宣言したが、これが茶番だったのだ。

「5月8日に帰国したカナダ帰りの計4人が国内で確認された感染者第1号なんだけど、空港検疫所の検疫官たちが機内に入り込んで感染チェックまでしたのに、1人を管理ミスで空港内を歩かせてしまい、ウイルスをまき散らしてもおかしくない状況を生んでいたんだ」(大手紙社会部記者)

 それもそのはず。検疫を徹底するならば、旅客機1機につき最大10人近い検疫官が乗り込む必要があり、北米便だけでも毎日30便以上も到着するから必要人員はのべ300人。ところが、成田の検疫所には50人しかいないのだ。

「この機内検疫は大臣の鶴の一声でスタートしたんだけど、当初、検疫官たちは防護服を身に着けず、マスクもゴーグルも未装着という信じられない格好。新型インフルエンザは2メートル以内でせきをされただけでもうつる感染力があるから、こんな無防備な検疫官から2次感染する恐れがあったんだ。政府が語る水際対策なんて、お笑い草なんだよ」(社会部記者)

 こうした抜け穴だらけのインフルエンザ対策のせいで、5月16日以降、兵庫、大阪を中心に10人、100人、300人へとうなぎ上りの発症者数を記録、世界保健機関(WHO)も驚く世界第4位の感染国へと転落したのはご存じの通り。まさに麻生政権の失策の賜物だが、あの舛添会見でみられた政府の積極姿勢には、国民の安全確保とは別の、ある狙いがあったのだ。

「西松建設事件で地に落ちた小沢一郎代表が辞任し、世論の支持率が上がってきた民主党のイメージアップを阻止するために、兵庫で始まった爆発的発症を利用したんだ」(政治部デスク)

 順を追ってみていくと、5月15日深夜から16日未明にかけて「渡航歴のない高校生が発症の疑い」と神戸市が発表。人から人へ2次感染していることを示す国内初のケースで、体調不良も10人規模で出ており、当初から爆発的な発症をにおわせていた。16日早朝には詳細検査で陽性が出たため、神戸市や兵庫県は対策本部を設置、学校の休校などを矢継ぎ早に打ち出しているのに、舛添大臣は動かなかった。

 厚労省がようやく感染確認を発表したのは、正午直前。舛添大臣の会見は午後0時45分に設定された。これがとんでもないタイミングだったのだ。

「午後1時から、民主党の代表選をNHKが生中継するタイミングだったんだ。冒頭、鳩山と岡田が演説を行い、国民に民主党再生を訴える場面なんだが、政府は舛添会見をぶつけて生中継を本気でつぶそうとした。しかも政府は、代表選の投票が始まる午後2時にインフルエンザ対策本部の会合を開き、感染拡大防止に万全を期すなどというカラ文句をマスコミに発表。少しでも民主党の代表選報道を小さくしようとする姑息なやり方に、いいかげん頭にきたよ」(前出・政治部デスク)

 国民の健康まで政争の具にしてしまう麻生政権は、もはや末期症状というしかないだろう。
(編集部)


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