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第1特集
原稿料暴露、編集者との確執......今、マンガ界は崩壊寸前!?【2】

紙だけでは先がない! ジャンプ五代目編集長・堀江信彦がマンガ騒動を分析!

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『シティーハンター』『北斗の拳』を世に送り出し、編集長時代には653万という驚異的な発行部数を叩き出すなど「週刊少年ジャンプ」(集英社)黄金期を支えた堀江信彦氏。多くの売れっ子作家と渡り合ってきたカリスママンガ編集者は今回の騒動をどう見るか、うかがってみたところ、開口一番「佐藤秀峰さんにお会いしてみたい」とのお答えが……。

「魅力的な作家だし、サイトに描かれた実態は一面の真実でしょう。マンガ業界が、作家の犠牲の上に成り立っているのは事実。週刊誌といえばメジャーリーグのはずなのに、その作家が『連載貧乏』なのは問題。漫画家の中でも特に強い作家性と社会的な問題意識を持つ佐藤さんが、この状況をどう打開するのか、話を聞いてみたいね」

 また、ネット向けに作品を書き下ろす佐藤の試みにも注目を寄せているという。

「『ネット配信すると雑誌が売れなくなる』という意見は、根拠がない。紙の雑誌で漫画を読みたい読者と、ケータイで漫画を読む読者は、別の大陸の住人。わずか1%の売り上げダウンにも怯える編集者の気持ちもわかるけど、紙以外にも漫画の発表の場やビジネスの場を模索しないと」

 意外なほどに佐藤側に好意的な堀江氏だが、唯一その制作方法には苦言を呈す。公式サイトのWeb漫画によると、現在、佐藤は、共同制作者としての担当編集を持たず、独力で取材と執筆を進めているという。

「ノッてるときは、ひとりで作っても問題ないんだけど、どんな作家も煮詰まることがある。そのとき、担当編集者がいないと、産みの苦しみはとてつもなく大きくなる。それに、漫画って完成原稿の批評は誰でもできるけど、制作途中の作品に助言できるのはプロだけなんだから」

 マンガは基本的に作家のものではあるものの、編集者という共同制作者が存在することで、さらにより良いものになると、堀江氏は強調する。

「あと、一般的に漫画家はドラマにおける横軸、要は時代の風俗を捉えるのに秀でているのに対し、編集者は文学青年崩れだったりしてドラマの縦軸、つまり筋立てなどに強かったりする。だからこそ、漫画作りには弱点を補う編集者が必要になる。もしかしたら、佐藤さんにはこれまで優秀な編集者がついたことがないのかもしれないね」

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堀江信彦(ほりえ・のぶひこ)
1955年、熊本県生まれ。79年、集英社に入社。93年に「少年ジャンプ」5代目編集長となり、95年には歴代最高部数である653万部を達成。集英社退社後、01年に株式会社コアミックスを設立し、「週刊コミックバンチ」を創刊する。現在同誌で、80年代「少年ジャンプ」の裏側を舞台にした『少年リーダム 〜友情・努力・勝利の詩〜』(原作/西村繁男 画/次原隆二)が連載され、好評を博している。


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