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巨大な牢獄となったチベットの今 その2

チベット問題がタブー化する理由

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昨年3月の騒乱時には、中国当局に対する非難の声が高まったものの、今ではすっかり風化された感が否めないチベット問題。なぜ、世界はこの問題をタブー視するのか──。

 昨年3月の騒乱の際、日本のマスコミは中国当局による情報操作に乗せられた感はあったが、それでも8月に北京オリンピックを控えた中国の人権問題として、かつてないほど大々的にチベット問題を取り上げた。日本国民の間でもチベットを支援する声が一気に高まり、4月に長野で行われた聖火リレーの際には、数千人の中国人が市内を占拠する一方で、チベット人、支援団体、右翼、法輪功信者までもが集結し、大混乱に陥った。さらに5月、胡錦濤・中国国家主席が来日すると、東京・表参道で行われたデモは4000人規模に膨れ上がったほか、胡主席の訪問先だった早稲田大学前でも、チベット支援者、警察、右翼、中国人留学生の揉み合いが起こる騒ぎになった。

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