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「ゴラク流」で限界突破

コミックブレイク編集長が閉塞するマンガ界に喝!

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現在のマンガ出版不況に立ち向かう編集長。(撮影/有高唯之)

 先月半ばに創刊され、グラビアアイドルの戸田れいの巨尻をフィーチャーした表紙でド級のインパクトを放った「コミックブレイク」。同誌のキャッチフレーズは"セクシー&バイオレンス"。マンガの中の文字を減らすことにもこだわっており、徹底して読者の身体感覚とパッションに訴える誌面作りが心掛けられている。同誌の西島和彦編集長は、『ミナミの帝王』などでおなじみ、オトナの男のためのマンガ雑誌「漫画ゴラク」の編集長でもある。はたして「ゴラク」流ヤングコミック誌の勝算とは?

「2002年に『ヤングゴラク』という増刊号を刊行したのですが、それ以来編集部に"ヤング誌をやりたい"という気運が続いていた。そこで去年『漫画ゴラクカーニバル!!』を出したら、これはイケる!と編集部が盛り上がった。さらにほかのマンガ雑誌が休刊して欲求不満のマンガ家が大勢いる。業界的にはピンチですが、我々にとってはチャンスだったんですよ」

 どうやら緻密なマーケットリサーチなどよりも、編集部の熱意と勢いで創刊に踏み切った様子。社内の反対はなかったのか、という問いに対して「ありましたよ」とあっさり答える西島編集長。その無茶さが素敵! 読者対象は「現状不満を抱く若者」とされているが?

「不景気下における20~30代のサラリーマンということです。彼らのような一般男性がマンガから離れている。それは今のマンガ業界全体が、マーケットを買い支えている一部のマニアたちのほうを向いてしまっているから。本来大衆向けの『モーニング』(講談社)が、いつの間にか『アフタヌーン』(同)みたいなマニアックな作品ばかりになっているのがその象徴でしょう。僕はつまらなくて半分も読めないですよ(笑)。我々はマニアや評論家ウケを狙ってマンガを作るつもりはありません。映画にもドラマにも真似できない、読者がシンプルに"お、面白いな""値段のわりには得したな"と思うようなマンガを作っていけるかが勝負だと思います」
(大山くまお)

にしじま・かずひこ
1963年大分県生まれ。87年、日本文芸社に入社し、「週刊漫画ゴラク」編集部で『ザ・シェフ』『喧嘩ラーメン』『江戸前の旬』などを担当。03年に3代目編集長となり、今に至る。モットーは「義理と人情、心意気!」。

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『コミックブレイク』 注目の連載は、やはり、にわのまことの『陣内流柔術流浪伝 真島、爆(ば)ぜる!!』。「少年ジャンプ」(集英社)にて1995年から98年まで連載されていた格闘マンガ『陣内流柔術武闘伝 真島クンすっとばす!!』の待望の続編となる。本編最終話から約6年後の物語となっている。そのほか、大和田秀樹『クレーマーハンター彩音ちゃん』、小林拓己『春うらら(ハート】』など、注目タイトルが目白押し。 発行/日本文芸社 定価/380円 発売日/毎月15日

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