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高須基仁の暴言・放言・妄言録 私は貝になりたい 第46回

虚報でも事件を風化させなかった新潮をサンデー毎日は見習え!

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――「しゃべるな!」と言われたことを、あちこちでしゃべりまくり、命まで狙われたこともあるというタカス。周囲から怒られる度に「貝になる」と誓うのだが、その放言癖はいまだ健在だ。

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先月号の柳美里の対談に、多くの感想を頂いた。いい女だなあ~。

「週刊新潮」が4週にわたって掲載した、朝日新聞阪神支局襲撃事件の"実行犯"とされる男の手記の件で、早川清編集長は同誌4月23日号上で「誤報」であると認め、お詫びするとともに掲載に至る経緯を説明した。また、遺族に対しては編集部名で謝罪文を送った。早川は、私が主宰する、メディア幹部を集めた「ハリマオ会」のメンバーであるがゆえ、複雑な思いがある。

 この襲撃事件に関しては、朝日新聞は折に触れ検証を行ってきたが、ほかのメディアは基本的に目を背けている。報じることで生じる、さまざまな団体からの圧力を恐れているのだろうか。時効が成立してホッとしているような印象すら受ける。

 しかし、圧力を恐れて書かなければ、事件は風化してしまう。メディアは、この事件を「未解決」という言葉で片付けないでほしい。時効を迎えてもなお真相を究明する努力を続けてほしい。さもないと、言論弾圧に負けたことになる。

 風化してしまえば、その陰でほくそ笑む真犯人がいる。これは事実だ。新潮の報道は虚報ではあったが、早川は"ねつ造はない"と誌上で断言している。事件の風化を防ぐという点について、新潮の貢献は大きい。そのことについては一定の評価をしなければならないと、私は思う。よくやった。

 理解しがたいのは、尻馬に乗って「週刊新潮は廃刊だ」「ジャーナリズムは終わりだ」などと、対岸の火事を眺める感覚でバッシングしたやつら。ニセの証言をした男を引っぱり出した産経新聞と「週刊文春」は、まだいい。そのあと半週遅れで男の告白を掲載した「サンデー毎日」、まぬけだな。まるで出がらしのお茶のようだ。

 しかも、サン毎編集長の山田道子氏は、『ひるおび!』(TBS系)なんかに出て、食い物からスポーツ、果ては人の書いた新聞記事について上から目線でコメントしている。恥ずかしい。テレビなんか出ている場合か!人の尻馬に乗って、ワイドショーを見ながら書いたような記事ばかり掲載するから読者が減るんだよ!

 今回の件が原因で早川は週刊新潮編集長をクビになったように伝えられているが、実際はその前から人事は決められており、早川は降格ではなく昇進している。

 さて、「日本音楽事業者協会(音事協)」などが、テレビ出演者の肖像権管理を一元化する団体を設立することになった。最近は、ネットに顔写真一枚を出すのも自主規制。ワイドショーでもタレントの顔写真ではなくイラストを使っている場合がある。

 だが、そもそも芸能人なんて顔を出してナンボの世界だ。吉本興業なんか、いい情報でも悪い情報でも「どうぞお使いください」と言っているぞ。この吉本イズムが芸能界の根幹になければならない。

 私はサッチーの写真を著書に掲載して肖像権侵害で訴えられたが勝った。この判例を生かして、紙媒体は戦ってほしい。たとえ、滅びの美学と言われようとも。テレビにはもう表現の自由はない。

 北野誠についても、なぜ全降板になったのか、テレビ、ラジオは一切言わない。個人の生活権を脅かすような、こんなやり方がまかり通るのはおかしい。テレビは視聴者に対して説明責任があるはずだ。「北野誠は、バーニングの悪口を言った」。なぜそうハッキリ言わないのだ。我々、紙で生きる人間は、ギリギリまで語ろうではないか。それも、顔、実名を出してだ。

 今後、雑誌が生き残っていくために提案したい。もう匿名芸能記者による座談会といった企画はやめろ。そんなものはネットの掲示板と同じ。これからは芸能記者はすべて名前と顔を出せ。「サイゾー」もそうだ。顔を出す勇気のないやつが芸能ジャーナリストを名乗るな。

 ところで、千葉県知事になった森田健作。国会ではしょせん陣笠議員だから芸名でかまわなかったが、知事は首長。芸名ではだめだ。そのまんま東でさえ芸人をやめて、本名の東国原英夫として知事になった。

 森田はタレント"森田健作"のまんま首長になったので、「完全無所属」なんてこともセリフとして言っているにすぎない。演説もどういう表情をつくろうか、どういう身振りをしようかということで頭がいっぱいだ。

 こんなやつを選んだ千葉県民が、はっきり言ってバカに見える。恥ずかしくないのか。フツーならリコールするだろう。森田健作は、本名の鈴木栄治で再度勝負すべき。このままいくと早晩、ドロドロとしたものが噴き出してくるぞ。齢60にして"さわやか"なんてありえない!(談)

高須基仁(たかす・もとじ)
中央大学経済学部卒業後、某玩具メーカーにて数々のヒット商品を開発。その後、紆余屈曲があって、出版プロデューサーとなり数々のヘアヌード写真集を手がける。別名、毛の商人。公式ブログ


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