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マルサの女──上原美優

お兄ちゃんと、相合い傘してました。

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↑クリックで拡大します。(写真/三浦太輔)

 雨漏りのする家で、傘を差しながらご飯を食べていた──。小動物のように愛らしいルックスからは想像もできないような衝撃の貧乏エピソードを武器に、ただいまバラエティに引っ張りだこの"大家族貧乏アイドル"上原美優。そんな彼女が、思い出の"傘"を手に渋谷の街へ出現!

「ウチにある傘はすべて拾いモノで、雨が降ると子どもたちは、2人1組になって入るというルールがあったんです。本当はすぐ上のお姉ちゃんとペアになる決まりだったんだけど、私は6番目のお兄ちゃんが大好きで、いつも相合いを傘してました。なので、雨の日もちっともイヤじゃなかったですね(笑)」

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 鹿児島県の種子島出身、10人兄弟の末っ子で、父は今年で77歳。そんなプロフィールだけでも十分面白い彼女だが、ナントこのたび、わずか22歳にして自伝『10人兄弟貧乏アイドル☆』を出版! パチンコ屋の駐車場で生まれた話に始まり、激しい兄弟ゲンカを勝ち抜くため頭をテトラポッドに打ちつけて鍛えた幼少時代の"武勇伝"などなど、期待通りの衝撃エピソードが満載……だが、その裏には、彼女の知られざる一面も。

「子どもの頃は楽しい思い出ばかりだったんですが、中高時代は心が荒れてしまって。母にひどく当たったり、学校の友達と衝突したり、思い出すのがツライ出来事も多かった。特に、種子島を出て鹿児島の高校へ進学してからのことは、親も知らないような話ばかりで……」

 15歳になったら自立するという家訓にのっとり、ひとりバイトで学費を稼ぎながら高校に通う日々。恋愛やグルメにしか興味のない周りの女子高生とソリが合わず、ケンカに明け暮れた。稼いだお金を彼氏に使い込まれ、ついには自殺未遂を......。

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「ここまで赤裸々に書いていいものか、正直かなり悩みました。でも、『後悔しないように書きなさい』と母が背中を押してくれたので、思いっきり内面を打ち明けることができた。あれほどぶつかり合った家族ですが、今は感謝の気持ちでいっぱい。この本は、心が荒れがちな思春期の中高生や、子どもとの関係性に悩む親御さんたちにも読んでほしいです」

一時はバラバラになりかけた上原家も、最近では彼女の活躍によって再びまとまり、絆が深まりつつあるという。

「7番目のお姉ちゃんが、私のテレビ出演スケジュールを家族全員にメールで回してるんですよ。放送後にみんなからダメ出しのメッセージが来たり、相当な密度で連絡を取り合ってます(笑)」
 まるでケータイ小説のような人生を地で行く彼女。近い将来、作家デビューしてベストセラーを飛ばすかも!?
(清田隆之/BLOCKBUSTER)

うえはら・みゆう
1987年5月2日、鹿児島県種子島に10人兄弟の末っ子として生まれる。水は井戸水、食べ物はほぼ自給自足、家電は拾ってきたものをリサイクルして使う、という家で育つ。「15歳で自立」という家訓にのっとり、中学卒業後はなんとかお金を稼いで生き延びる。現在は、底抜けに明るい「大家族貧乏アイドル」として、バラエティ番組を中心に活躍中。

『10人兄弟貧乏アイドル☆──私、イケナイ少女だったんでしょうか?』
父親は77歳、母親は65歳。いちばん上の兄は49歳。生まれたのは地元のパチンコ屋の駐車場。「明るい貧乏ネタ」で人気の上原美優が初めて明かす、平成の大家族物語!! 定価/1260円(税込) 発行/ポプラ社 発売/5月22日


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