満を持して、フリーに転向した小林だが……。
さまざまな思惑が入り交じってスタートした春の番組改編。なかでも注目は、TBSが社運を賭けたという触れ込みの『総力報道! THE NEWS』(月~金17時50分~)である。フリーに転向したばかりの元同局人気女子アナの小林麻耶をメインキャスターに据えるなど、大きな話題を振りまいたが……フタを開けてみれば、初回視聴率が7・1%と大苦戦しているのだ。
「視聴率が発表されたとき、当然ながら同局の上層部は青ざめたって話ですよ(苦笑)。数字もさることながら、問題視されたのが、他局が放送する18時台のニュース番組の中で最下位の視聴率だったということ。さらに19時台でも、NHK『ニュース7』に10ポイント以上も差をつけられましたからね。改編前に月曜19時から放送していた『関口宏の東京フレンドパークII』は、平均視聴率が12%前後。それを考えると、明らかに編成のミスといえるでしょう」(TBS関係者)
メインMCの小林も、プロデューサーとともにヤリ玉に挙げられているという。
「初回放送後の反省会は、修正点の確認もあり、深夜まで及んだと聞いています。その中で小林は、スタッフから『バラエティのような軽いノリは控えろ』と糾弾されたとか。最初は視聴率も判明しておらず、笑いながら耳を傾けていた彼女も、厳しい意見が飛び交うにつれて涙目になり、悔しさを滲ませていたという話ですよ」(同)
しかし、窮地に陥っているのは同番組だけではない。他局の新番組も、一様に厳しい状況に置かれているのだ。「鳴り物入りで始まった日テレ系の『おもいッきりDON!』(月~金10時25分~)やTBSの大型情報番組『ひるおび!』(月~金11時~)も、前番組より数字を落としています。日テレは楽観視しているようですが、TBSの編成部は早くも『猶予は2週間。それでも数字が上がらなければ、コーナーの見直しや出演者・スタッフの入れ替えを検討する』と焦燥感を募らせていましたよ」(テレビ誌編集者)
そんな中、今回の改編で番組編成以外にも大きく変わったことがある。それは、テレビ局に大きな利益を生み出してきたパチンコCMの自粛だ。内情に詳しい週刊誌記者が語る。
「パチンコ機器メーカー30社で作る『日本遊技機工業組合』が、4月から午前5~9時、午後17~19時の間、パチンコ台のテレビCMを自粛する方針を打ち出したんです。というのも、ここ1年でパチンコCMが激増したことで、『ギャンブルを助長する』などと視聴者からのクレームが殺到。局に対してBPOや行政からの指導が入る前に、自ら規制をかけたそうです」暗雲たれ込めるテレビ業界。依然として冬の時代は続きそうだ。
(北川ヒロミ)