写真左より、ロマンスのヲタポーズをキメるSadachi(22)、yukarin(20)、Yumiko(20)。
──アイドルの側は、ファンによるヲタ芸をどう考えているのか? ライブを中心に活動する3人組アイドルユニット「hy4_4yh」(ハイパーヨーヨ)を直撃した。
──「ハイチュー」(hy4_4yhファン)は、地下アイドルファンの中でも熱狂的なことで知られていますよね。
yukarin でも、今みたいな激しい(ヲタ芸の)ノリになってきたのは、「ミミララ未来」(08年5月発売)という曲を出してからなんですよね。
yumiko 初期は、本当に全然静かで、振りも一緒には踊ってくれないような感じでした。
──モッシュやケチャなどが中心だとは思いますが、そういうヲタ芸のノリは、ご本人的にはすぐに受け入れられたんですか?
yukarin 最初は、ちゃかされてるんじゃないかなと不安に思ったりもしました。「なんでちゃんと見てくれないんだ!」って。でも、徐々にそれがファンの方々の盛り上げ方だとわかってきて、逆に今はうれしいです(笑)。
──例えばMIXなんかは、歌い始めをファンにキュー出しされてるみたいで、ぶっちゃけイラっときません?
yukarin その発想はなかった(笑)。確かに、自分の歌声が消されちゃうことは時々ありますね。でも、盛り上がる曲であれば、一緒に楽しんでいただけるのが一番うれしいですから。
yumiko MIXは楽しいし、逆に力をもらえる感じもあるしね。
──現場では、歌っている目の前でケチャをやられることもあるようですね。ヲタ芸で身の危険を感じたりしたことは?
Sadachi ここまでいったら危ないというルールの中でやってくださっているので、大丈夫です。皆さん、マナーがいいんですよ。
──アップテンポの曲が増えることで激しいノリのファンが増え、多いときには月に9本、3月のワンマンライブで211回目という膨大な数のライブをこなされてきました。今では、「転生フェニックス」というMIXを取り入れた楽曲をリリースするなど、アイドルの側がヲタ芸を取り込むという、独自のアプローチを試みています。
yukarin 最初にこの曲をもらったとき、「スゲー!」って思いました。初披露のときには、お客さんも笑ってたもんね(笑)。
Sadachi 石丸電気さんでやらせていただいたんですけど、何人かのファンの方が、真面目にズッコケたんですよ。そういう反応をもらったので、やっぱりこれは革命的だなと(笑)。
──現場のノリが独特なものになってゆくと、アイドルとしての活動の幅が狭まってしまう気もします。例えば皆さんは「地下アイドル」と呼ばれることも多いですが、その名称に対しては、ネガティブな印象を持つこともありますか?
yukarin 正直ありますね(苦笑)。でも、ライブを中心にして活動するアイドルを地下アイドルっていうらしいので、そういう意味では自分たちは「地下アイドル」かなと。
Yumiko でも、やってる内容的には、地下アイドルと呼ばれたくないんです!
──楽曲の評価も高いhy4_4yhですが、ヲタ芸のノリが足カセになって、新規のファンを遠ざけている部分があるような気がします。
yukarin そういう部分もあると思うんですけど、私たちが頑張ることで、ヲタ芸というものがもっと市民権を得られたらいいなと思ってます。普通のアーティストさんのライブでも、あそこまでの一体感ってなかなかないと思うんですよね。そういう良さを世間に伝えていければいいなって。
yumiko いずれは、「ヲタ芸やってるんだ」って言っても、「へぇーそうなんだぁ」って軽く返されるくらいの世の中にしたいですね。「草野球やってるんだ」っていうのと同じくらいのノリに(笑)。
hy4-4yh(ハイパーヨーヨ)
アイドルとアーティストの壁を破り、さまざまな音楽ジャンルを織り交ぜた絶妙のバランス感覚で音楽通をもうならせるサウンドと、アグレッシブなパフォーマンスが魅力の3人組ガールズ・ユニット。そのライヴ・パフォーマンスは、病みつき必至。えざきまさる全面プロデュースのもと、ハイパーかつオルタナティブに活動中!