──顔は同じ美形でも、ジャニーズとは一線を画した活躍を見せるイケメンたち。それを支持するファンたちは、彼らのどんな部分に惹かれているのか!? その真意に迫る!
写真上/左から・豆さん、のんさん、ララベルさん。写真下/舞台『フルーツバスケット』の公演にて。
──現在のイケメンブームを支えているファンの中には、マンガ原作で、イケメンが大勢出演するミュージカルのような"2・5次元"の世界に萌える、よりマニアックな女性たちがいるのも特徴です。本日は、その中でも主にPureBOYSのメンバーを応援している方々に集まってもらいました。皆さんは、あるイケメンアイドルのバースデーツアーをきっかけに仲良くなったとか。こうしたファンクラブイベントは、よく開催されるんですか?
のん 事務所によりますね。3000円のライブもあれば、10万円の海外ツアーもあったり。エイベックスの相葉弘樹くんは、グアムに行ったって。
豆 D-BOYSは毎年バスツアーを開催してるよね。私はちょうど瀬戸康史くんが加入したてのときに参加したんだけど、バス10台くらいで移動した。
──男の子たちと話せる機会はあるんですか?
豆 彼らは基本的にマネージャーと一緒にいるので、いつでも話せるというわけではないけど、食事のときに各テーブルを回ってくれたりします。
ララベル 値段が高くても、申し込んだ人数が少ないとツアーが中止になっちゃう場合もあるので、かわいそうだからつい出しちゃうよね。それに、また次も開催されるとは限らないし。
のん 実際に、何人ものイケメンたちが売れずに引退しているよね。結局、舞台や特撮ヒーローモノ出身で、ドラマとかで大きな役に就けている子って、大手事務所の子ばかりだし、生き残るのはなかなか厳しい。
豆 事務所を辞めて、ブログも閉鎖されちゃったらおしまいだよね。どこで何してるのかわからないから、応援したくてもできないし。
ララベル ブログの力は大きいと思う。若手のイケメンたちはみんなブログをやってて、更新も頻繁。
豆 ブログを読んで初めて「この人、面白いな」とか、人柄がわかる。ファン同士で話すネタも、ほとんどブログだよね。
のん それで興味がわいたから、イベントや舞台に足を運ぶようになった......という人は多そう。自分たちが応援してあげないと、ブレイクしないまま消えちゃいそうだし。だからといって、「JUNON」に出るくらいメジャーになったら、応援する必要性を感じなくなって、新しい子に移っちゃったりするんだけど(笑)。
ララベル あと、テレビで目立つようになると、メジャーになった気がするよね。私が応援してる南圭介くんは『メイちゃんの執事』にレギュラー出演してたけど、残念ながら脇役だった。もう毎回画面を見ながら"南を探せ!"状態(笑)。それにしても、メディアでイケメンが取り上げられる機会は、本当に増えたよね。
豆 でもさ、中には「イケメンなの?」って首をかしげたくなるような男の子もいない?
のん いるいる。ブームによって、イケメンのハードルが下がった気がする。
ララベル 確かにPureBOYSの中にも、好き嫌いがはっきり分かれそうな顔をした子が何人かいる。それなのに全員を一緒くたにして「イケメンユニットです」ってうたわれたら、「PureBOYSって大したことないじゃん」と思う人もいそう(笑)。
豆 ひと昔前は老若男女問わず「かっこいい」って思われる人が「イケメン」だったけど、今はいろんなタイプのルックスをごちゃまぜにして「イケメン」とひとくくりにされてる。
ララベル ブレイク前だと、テレビより舞台の仕事のほうが多いから、ファン活動で最も出費がかさむのは、舞台のチケット代だよね。1回6000円くらいで、同じ舞台を2〜3回は観に行く。でも、舞台で彼らを生で観られるほうが、ファンとしてはうれしい。ドラマや映画と違って、舞台は観る回によってアドリブがあったり、失敗するシーンも観られたりするから「よし、また次も観よう」って気になる。
のん その心理を、彼らもわかってるんだよね。だから、回によって演技を変えてきたりする。リピーターが多いのはそのせいじゃないかな。
ララベル 彼らが出るような"イケメンミュージカル"って、たくさんの人が観に来るものではなくて、リピーターが何回も観に来る舞台なんだよね。ファンは"通うこと"を前提としているから、大きい劇場で数回やるよりも、小さい劇場で一定期間に毎日やってくれたほうがうれしかったりする。そういえば、去年の5月に横浜アリーナで『ミュージカル・テニスの王子様』の公演を2日間やってたけど、やっぱり客入りはあまり良くなかったみたい。
──皆さん、上演後に出待ちとかはしないんですか?
ララベル 遅い時間まで待ってなきゃいけないので、私たちはしません。それに近隣に迷惑がかかるので、出待ちが禁止されている劇場も多いんですよ。
のん 禁止されていることはやっちゃダメだよね。ファンの迷惑行為が、彼らの仕事にかかわる可能性だってあるわけだし。「この子のファンはマナーが悪くてスタジオに押し掛けてきたりするから、使うのはやめよう」なんてことになったら、かわいそう。
豆 中には、家までついて行くファンもいるからね。それが原因でノイローゼになって、引退しちゃった男の子もいるくらい。まあ、逆に手を出しちゃった男の子もいるらしいけど(笑)。どちらにせよ、過剰なファン行為はトラブルの元だよ。
ララベル いまはイケメンブームだけど、メディアが「イケメン」って言葉を使わなくなると同時に、彼らの需要も減りそう。
豆 いまもすでに"高学歴イケメン"とか出てきて、ただのイケメンじゃ通用しなくなってきてるから、終わりも近いんじゃないかな。
のん 「イケメンを応援してる」ってことを、ファンが職場とかでも大っぴらに言えるような社会状況になったら、ブームも定着すると思うんだけどねぇ......一向にそうなる気配がない(笑)。だから、本人たちも「芸能界で生き残るためにはどうしよう」って悩んでいるんだと思う。それを「頑張れ!」って見守れるところが、好きでもあるんだけど(笑)。
ララベル わかる! 女性は"見守ってる"とか"育ててる"という感覚が、潜在的に好きなのかも。
──同じイケメンでも、ジャニーズはダメなんですか?
ララベル ジャニーズは別物ですね。ブログで日常が垣間見れたり、イベントでじかに会うことができる"身近さがよくて、彼らを応援しているところもあるので。
豆 そもそもジャニーズは事務所の力が強すぎるから、「わざわざ自分が応援する必要はない」って思う(笑)。最近は、ジャニーズからこっちに移ってくるファンも多いよね。
のん ジャニーズはファンサービスもあんまりしないから。テレビとかで偉そうにしてる姿を見ると、「お前ら、誰のおかげでオリコン1位が取れてるんだよ!」って思っちゃう。あと、同じグループなのに、仲が悪そうなメンバーがいたりするところがイヤ。それに比べてジャニーズ以外のイケメンアイドルたちは、ブログを読んでるとみんな本当に仲良さそうで、お互いの良いところを認め合ってる気がする。
豆 互いに切磋琢磨してる感じがいいよね。あれぞまさしく"青春"だよ!
ララベル そうそう! 私たちの失われた青春が、彼らのブログには詰まってるんだよね(笑)。
(構成/アボンヌ安田)