──知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を人気放送作家が直撃解決!
回答者 無添くら寿司 お客様相談室 様
某番組で、八代亜紀にいろいろな初体験をさせる、という企画をやっていたことがある。若い頃から芸能界にいた彼女は、いい意味で世間知らずであり、毎回、スタッフの想像を超える天然ボケぶりを発揮してくれた。
あるとき、そんな八代亜紀を回転寿司に連れていった。もちろん、初めての回転寿司である。いろいろな寿司を食べたいからと、次々、皿を取って、テーブルの上が大変なことになるわ、ガリの入った容器がかわいいから欲しいと言い出すわ、相変わらずのはじけぶりだった。そして、いよいよお会計のときがきた。
「お会計は、お皿の数でわかるんですよ」
そう教えられた八代亜紀は、食べ終わった皿を重ねると、そのままそれを持ってレジに行こうとしたのである。
高得点のボケっぷり。八代亜紀おそるべし、である。
さすがにそこまでではないが、僕も回転寿司はめったに入らないため、たまに入ると気になることが満載だ。先日、必要があって回転寿司で食事をしたときに気になったのは、お茶の温度である。
熱い。とてつもなく熱い。
猫舌というわけではないのだが、さすがにすぐには飲めない温度だった。
一体、あのお湯の温度は、どのような基準で設定されているのか。
気になる。とても気になる。
そこで無添くら寿司・お客様相談室 に直接聞いてみた。
『お茶が熱すぎるんですが、温度設定はどうなっているんですか?』
担当者 そうですねー、90℃以下でございますけれども。
──90℃ってかなり熱いですよね。どうしてその温度に定めているんですか?
担当者 そうですねー、定めるというか、あの、まあ、冬場になったら、あの、まあ84℃だったものを86℃、2℃くらい上げるということはしております。それも店舗によってさせていただいてるんですね。
どうやら、「90℃以下」という温度設定に、明確な理由はないようだ。おそらく経験的なものだろう。その範囲であれば、温度設定は店舗ごとに任されている。たとえば、寒い地域であれば、設定温度はあがるし、季節によっても変わる。冬場は1〜2℃上げるそうだ。
──ちなみに夏場は、どれぐらいの温度なんですか?
担当者 そうですね、80℃から82〜83℃ですね。でも、こないだ84℃でもぬるいとおっしゃられたお客様からの苦情も頂きまして。(店舗に)問い合わせましたところ、84℃で設定しているということで、2℃上げて86℃に設定し直したということもございましたのでー。
なるほど。温度に対する感覚は、どうしても個人差があるから、誰もが満足いく温度に設定するというのは、かなり難しいことのようだ。
しかし、聞くところによると、最近は銭湯もお湯の温度が熱すぎるという声が増え、昔より温度を下げたという。どうも日本人全体が、温度に対してデリケートな体質になってきているのではないか。
だからといって、むやみに温度を下げると、今度はぬるいという苦情が来てしまう。ならば、たとえば低温・中温・高温という具合に、何種類かの温度のお茶を出すことはできないだろうか。回転寿司のハイテク化が進む中、その程度の設備など、お茶の子さいさいだと思うのだが。
[無添くら寿司]
全国に187店舗を構える回転寿司チェーン店。1977年、普通の寿司店を開店し、7年後、「回転寿司くら」を開業。90年、「株式会社くら寿司」を設立する。05年、東証一部に上場し、現在では、業界3位の売り上げを誇る。ちなみに社員の平均年齢は27.9歳と若く、平均年収は約400万円である。
やまな ひろかず
1967年、東京にて誕生。放送作家。『行列ができる法律相談所』『ザ!鉄腕!DASH!!』(ともに日テレ系)などを手がける。4月からの新番組の状況が耳に届く今日この頃。まだ情報解禁ではないので、詳細は伏せますが、純粋な新番組ではなく、深夜からの昇格や、特番のレギュラー化などが大半のようです。