109名──2007年F1日本GPで被害を受けたとして訴えを起こした観客の数
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「例の一文を見たときは、目の前がカッと熱く
なりましたよ」と憤る。
昨年、30年ぶりに鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)から富士スピードウェイ(静岡県小山町=以下、FSW)に会場を移して行われたF1日本グランプリ。だが、お祭りムードに水を差すような、そのずさんな運営に多くの観客が不満を訴え、観客の一部が主催者であるFSWを相手取って集団訴訟を起こすに至った。その経緯は本誌7月号でも報じたが、その裁判の第一回公判が8月5日に東京地裁で行われた。
この裁判では、原告109名が「劣悪な環境下で長時間のバス待ちを余儀なくされるなどし、肉体的・精神的苦痛を受けた」として損害賠償を求め、一方、被告であるFSW側は「原告の109名が本件F1グランプリを観戦しに行った者であるかどうかは知らない」「原告は実態を誇張している」などとして請求の棄却を求めた。
10万人規模の観衆を集める大々的なイベントにおいてこのような訴えが起こされるケースは極めて稀であり、また被告のFSWがトヨタの子会社であることから「大企業相手の集団訴訟」という見地からもこの公判には大きな注目が集まっていたが、被告側は全面的に争う姿勢を見せたことになる。