「撤去した俺のチャリを返せ」「家賃をタダにしろ」......こんな一見ふざけた要求を掲げ、やたらとド派手なデモを敢行するコミュニティがある。普段は東京・高円寺でリサイクルショップなどを経営する「素人の乱」。中心人物の一人が松本哉さんだ。法政大学在学中には「法大の貧乏くささを守る会」を結成し、学内にコタツを出して延々と飲み会を続けるなど、緊張感のまるでない、しかし大学当局にとってははた迷惑な活動を展開。大学卒業後は、フィールドを街へ広げ、前述のようなデモ活動を行っている。ただし、松本さんには「活動家」特有の気負いは感じられない。
「『俺のチャリを返せデモ』とか、マヌケな感じがすごく好きなんです。いくら正しいことを言っても、そいつが必死すぎて胃潰瘍寸前みたいな顔だったら聞く気になれないじゃないですか」