ハウス食品「揚げずに中華」。オールタ
イ人スタッフによる作品。制作は電通。
──一見したところ、ごくフツーのCF。でもそれをつくったのはすべて外国人スタッフ。そんなケースがついに日本のテレビコマーシャルの世界に現れた。なんでわざわざ? そのウラ事情を探ってみたぞ。
草原の中にまっ白なグランドピアノが1台──爽やかで幻想的なこのCFは、電通が全面的に請け負って、タイのCFディレクターに外注したもの。昨年、「揚げずに中華」(ハウス食品)のCFを実験的にタイで制作したところ予想以上の評価を得て、「foo」(同)で再度の挑戦となったんだそうだ。
このタイからのCF逆輸入、今や日本の広告業界ではトレンドになりつつある。業界大手の葵プロモーションをはじめ、CF制作会社がここ1〜2年の間に続々とタイに進出してるのだ。
でもなぜ、わざわざ海外で? その理由を電通テックの鵜飼捷一氏(海外推進部長)は、「東京の人件費が世界一高くなってしまったことにある」と説明する。「人件費が高くなるにつれて、すべての値段が高くなってしまった。ならば、ほかの『モノ』のように、外国でつくったものを逆輸入してもいいんじゃないかと......」