キリング・フィールドへの待合室
―― ポル・ポト率いるクメール・ルージュ(赤いクメール)支配下の民主カンボジアでは、急進的な共産主義思想によって国民の5人に1人が死に追いやられたといわれている。1976年、ポル・ポト政権の治安警察・サン...
―― ポル・ポト率いるクメール・ルージュ(赤いクメール)支配下の民主カンボジアでは、急進的な共産主義思想によって国民の5人に1人が死に追いやられたといわれている。1976年、ポル・ポト政権の治安警察・サン...
―― 小説家の百田尚樹が東京都知事選の際に、東京大空襲や原爆投下を「大虐殺」と指摘して議論を呼んだことは記憶に新しい。が、その東京大空襲を指揮したカーチス・ルメイが百田の盟友である安倍晋三の大叔父・佐藤栄...
―― 1903年、大阪天王寺で第5回内国勧業博覧会が開催され、会場内に学術人類館が設けられた。この学術人類館には1889年のパリ万博で「人間の展示」の様子を視察してきた東京帝国大学の人類学者・坪井正五郎が中...
―― 1861年、幕府は欧州諸国に対して開港・開市の延期交渉を行うために第一回遣欧使節団(文久使節団)を送った。翌年3月にフランス入りした一行は、滞在していたパリのホテルとキャプシーヌ大通りにあったナダー...
―― 内閣府が昨年末に発表したアイヌ政策に関する初めての世論調査によると、アイヌに対して現在は差別や偏見がなく平等だと思うかを聞いたところ、3人に1人が「平等ではない」と答えたという。北海道旧土人保護法が...
―― 大日本帝国憲法第3条には「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」とあるが、かつては天皇本人だけでなく、その肖像さえもが神聖視され、同一視された。いわゆる「御真影(御写真)」である。1873年に写真師・内田九...
―― アベノミクスという官製バブルと東京五輪の決定によって、東京の不動産価格が上昇しているという。安倍政権が取り戻そうとする日本は、バブル景気に踊った頃の日本なのだろうか。「いつか来た道」という言葉しか思...
―― 歴史上、有名な事件が起きた場所は世界中にあまたあるが、実際にそうした場所へ足を運んでみると、事前に抱いていたイメージとのズレに戸惑うことが少なくない。凄惨な事件の現場が美しい風景であったり、なんの変...
―― 実りの秋には全国津々浦々で収穫を祝う祭祀が執り行われるが、その中心的な役割を果たすのは男性である場合が多いだろう。天皇も宮中祭祀を担っており、よく知られているものでは五穀の新穀を神に捧げ、その年の収...
―― 「表象」「上演」「代理」を指す「representation」という言葉には「喪の黒布で覆われた空の棺」という意味があるという。写真も不在の死者を「再現前」させるメディウムのひとつだろう。古屋誠一はこ...
―― 1827年7月、ニセフォール・ニエプスは、ブルゴーニュ地方のサン=ルゥ=ド=ヴァレンヌ村にある館の二階の窓から世界初の写真撮影に成功する。カメラは「小さな部屋」という意味であるから、実験室に穿たれた...
―― 「富士山と信仰・芸術の関連遺産群」が世界遺産へ登録されるという。均整のとれた美しい稜線を持つこの山は日本人だけでなく、日本を訪れた外国人の眼も引きつけてきた。幕末に日本が開国した際には多くの外国人旅客...
―― 1968年、パリ大学ナンテール校に端を発した五月革命は、日本写真へも飛び火し、同年11月、伝説的な同人誌として知られる『プロヴォーク』(英語で「挑発する」を意味する)が創刊される。同人には評論家の多木...
―― 1869年、蝦夷地を北海道と改称して同地の経営に着手した明治新政府は、北海道開拓使の長官東久世通禧に「北海道は皇国の北門、最要衝の地なり。今般開拓被仰候に付ては深く聖旨を奉体し撫育の道を尽し、教化を広...
―― 外来種問題の嚆矢は大航海時代にさかのぼるが、地球規模に経済活動が拡大した今日では、よりいっそう深刻な問題になりつつある。 写真家の宮崎学はユーモア溢れる視点で外来動物たちの姿をとらえてきた。