大日本の美男子(上)
―― 1910年(明治43年)9月22日、「毎日電報」が紙上で美男子コンテストの募集記事を掲載した。見出しには「日本の代表的美男子を募集す」とある【トップ画像】。ただし、生身の人間が審査を受けるわけではなく...
―― 1910年(明治43年)9月22日、「毎日電報」が紙上で美男子コンテストの募集記事を掲載した。見出しには「日本の代表的美男子を募集す」とある【トップ画像】。ただし、生身の人間が審査を受けるわけではなく...
―― 予定通りであれば、2025年に大阪では55年ぶり、日本では愛知万博以来20年ぶりの万博が開催されるという。当初の「産業の祭典」という意味での万博が歴史的な役割を終えて久しいこともあり、現代オリンピック...
―― 「自然界の報道写真家」を自称してきた宮崎学のひとつの到達点は、1990年の第9回土門拳賞受賞作となった写真集『フクロウ』だろう。この連作でもっとも印象的なのは、立木の上でまるでモデルのように次々とポー...
―― コロナ禍に伴う外出自粛要請により今回、写真家たちも大きな影響を受けたようだ。外出や移動が制限されるというのは、被写体を必要とする彼らにとっては死活問題となってしまうからだ。
―― 「リワイルディング(=再野生化)」という言葉がある。人間が開発した土地を再び自然の状態に戻し、生態系を回復させる取り組みのことだ。この言葉は、干拓事業の失敗により放置された場所を自然保護区にしたオラン...
―― 新型コロナウイルスの感染拡大のペースが急速に早まる現在、いささか旧聞に属するが、欧米諸国における感染者が増加し始めた際、アジア系住民への人種差別もまた、広がりを見せていた。武漢の市場から始まったとされ...
―― 19世紀後半にパリとロンドンを中心に成立した人類学は、当初、人体測定学(anthropometry)と呼ばれたように、人体の計測を主な課題としていた。初期の人類学では、人体計測の補助や科学的な記録とし...
―― アメリカ大統領選まで1年を切ったが、再選を狙うドナルド・トランプがウクライナ疑惑の弾劾訴追で窮地に陥った末に切ったカードは、イランの革命防衛隊のソレイマニ司令官らの殺害というものであった。国内の諸問題...
―― 即位の礼と大嘗祭が終わり、長らく続いた「令和狂騒曲」も次第に落ち着きを見せてきたように見えるが、先日の天皇・皇后の伊勢神宮参拝を報じたNHKのニュースには、思わず耳を疑ってしまった。「皇室の祖先とされ...
―― 6月7日、政府は新天皇の即位を祝う献上品を皇室が受け取ることができるように閣議決定をした。議決案によれば、即位の礼の前後に皇室は天皇の即位を祝うために贈与品を受け取ることができ、贈与できる団体について...
―― 岡田紅陽(本名:岡田賢治郎)の名を知らずとも、現行1000円札の裏面に印刷された富士山を知らない人間は少ないだろう。これは紅陽が本栖湖畔で1935年に撮影した「湖畔の春」(本栖湖)【上画像】が原画にな...
―― 戦前・戦中の「海外神社」には、日本政府や軍が皇民化教育の一環として創建した「政府設置神社」と、日本人移民有志らが創建した「居留民設置神社」があり、合計で1600社以上もあったといわれている。写真家の稲...
―― 昨年夏、「国生み神話」ゆかりの神社ということで観光に訪れた淡路島の伊奘諾神宮で、思いがけない光景に出会った。境内のそこかしこに「憲法改正の実現を」「1000万賛同署名」などと書かれた水色と白の幟が立て...
―― 1897年、台湾総督府は台湾原住民を対象とした内地観光事業を始めた。現地有力者に対して士官学校【上画像】や兵営、軍需工場、軍事演習といった軍都の威容を見せることで、自分たちの無力さを思い知らせ、抵抗の...