ChatGPTなどの生成AI、 使いこなせないとダメですか?

生成AIツールが一般化し、ビジネスや教育現場でもAI活用を推進する動きが広がっている。AIがもたらす未来を歓迎する声が強まる一方で、その影響を慎重に考えるべきだという指摘もある。そうした状況の中で、人間の能力や価値はどのように変化するのだろうか? AIと共存するための適切な向き合い方とはどんなものだろうか?


生成AIで人を騙してないか?

――AIの研究を1980年代から続けてきた苫米地博士に聞きたいことがあります。生成AIの利用が一般的になり、最近よく「AIをちゃんと使えるようにならないと、これからの時代に乗り遅れますよ」といったセミナーのお誘いが来るのですが、受講したほうがいいのでしょうか?

苫米地 その勧誘って、「プロンプト・エンジニアリングを上手になりましょう」ってことだよね。プロンプトというのは、AIに指示を与えるテキスト入力のこと。「量子力学について中学生にもわかるように説明して」とか「白くて太った猫のイラストを描いて」とか。つまり、「自然言語で上手に指示を入れましょうね」ってだけのことで、高いお金を出してまで学ぶ必要がある? もちろん、導き出したい答えを出すためには、指示の仕方にコツがある。答えを論文形式で出力してもらうためにはどうすればいいかとか。その技術をプロンプト・エンジニアリングというのね。

――う~ん、そう言われると、別に習う必要をあまり感じないですね。プロンプト・エンジニアになりたいわけでもないですし。

苫米地 セミナーの主催者たちにとっては、ビジネスにすぎないからね。それより、生成AIにはもっと根本的な問題がある。例えば、ウチの社員の話。彼は月額200ドルを払って、ChatGPT Proを使っていて、「すごいですね。こんなに流暢な文章があっという間に書けました」って言うんだけど、俺には無能な人が有能に見せかけているようにしか思えない。彼の能力で書かれたわけではない文章が彼の成果物になるなんて、詐欺じゃない?社長としては、そんな社員は要らないと思ってしまうよ。月額200ドルのAIに置き換えられるんだから(笑)。

――う~ん、確かにそうですね(苦笑)。

苫米地 業務の効率化のために補助的に使うならまだしも、自分の能力を誇大化するような使い方は、結局はマイナスになるよ。

――AIを使うことは、ズルい行為になりかねないんですかね。

苫米地 ズルいというか、AIで儲けようとする勢力が入ってくると確実に不合理になる。トランプさんが破壊しようとしている官僚のレッドテープ問題と共通する点だよ。レッドテープとは、官僚が不要な規制や手続きを増やし、改革を避けることを指す。本来、より効率的な仕組みに移行すべきなのに、既存の体制を守るために無駄なルールが増えていく。で、いまのAIの世界もそうなのね。肝心なこと――AIの本質的な進化や活用、それが社会や経済に及ぼす影響を真剣に考えずに、資格や規制ばかりを増やして、既得権益化しようとしてるよね。

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