世界を二分していた資本主義・自由主義と社会主義・共産主義の図式は崩れ去り、かつて対立していたアメリカとロシアのリーダー同士が
手を組む時代となった。一体、何が起きているのか? 各国で左右の分断が深まる今だからこそ、30年前まで世界の3分の1の国を
占めた社会主義・共産主義体制、そして2020年代に新たに台頭してきた左派ポピュリズムについて考えよう。
(兵士、労働者、炭鉱作業員が大きな赤いレーニンの右手が指し示す方向に前進!(写真:Buyenlarge/Getty Images))
ロシアのウクライナ侵攻や、米国が世界の警察官としての役割を果たせなくなったことで、各国で自国中心主義の傾向が強まり、世界的な分断が深刻化している。
日本でも左右の対立は顕著であり、SNSでは毎日のように、相反する政治信条を持つ者同士の激しい論争が繰り広げられている。
例えば、X(旧・ツイッター)で日本共産党に関するニュースのリプライ欄には、「中国共産党の犬」「北朝鮮の手先」といったコメントがたびたび投稿される。しかし、実際のところ、同党は中国共産党や朝鮮労働党、そしてロシア共産党(かつてのソ連共産党)とは必ずしも友好関係にはない。
冷戦終結から三十数年。かつて世界を二分した資本主義・自由主義と社会主義・共産主義の対立構造は崩れ去り、西側諸国が警戒していた東側の脅威も消え去った。その結果、多くの人にとって「社会主義・共産主義」とは何なのか、曖昧で理解しにくい概念となってしまっているようだ。
その一方で、近年中国の影響力は増すばかりであり、米国では「民主社会主義者」を自称する民主党系無所属のバーニー・サンダースの台頭も見られる。固定観念にとらわれていては、そうした現代の大国の主義・主張を理解することはできない。そこで、2020年代における社会主義・共産主義のあり方を考えてみよう。
失敗した野党共闘日本共産党の評判
「2019年の参議院議員選挙では『野党共闘』が行われました。立憲民主党、社会民主党、日本共産党、れいわ新選組の4党に市民連合が加わり、『打倒!自公政権』を掲げました。しかし、当初から国民民主党は『共産党とは組めない』として、この共闘から距離を置いていました」
そう語るのは、国際政治、比較政治特に比較共産主議論を研究している広島大学大学院人間社会科学研究科教授の永山博之氏。選挙結果は決して大惨敗ではなかったものの、期待していたほどの成果を上げることはできなかった。しかし、「野党4党による共闘、すなわち左派連合では自民党に勝てない」という認識が立憲民主党内で広まり、同党も野党共闘から距離を置くことになった。
「この決断の最大の理由は、『日本共産党と組むのは避けたい』というものでした。それでは、なぜ『日本共産党は嫌だ!』と思われているのでしょうか? いくつか理由はありますが、まず挙げられるのは、日本共産党に対する『悪印象』です。新聞社の世論調査では、『どの政党を支持しますか?』という質問だけでなく、『どの政党が嫌いですか?』という質問も行われます。そこでは、日本共産党が圧倒的に『嫌いな政党』として挙げられることが多いのです」(同)