石破内閣に対する厳しい評価は イメージ操作によるものなのか?

少数与党の総理大臣として、厳しい船出となった石破茂氏。税制・社会保障制度改革や裏金問題に端を発した政治改革、対米・対中を軸とした外交・安全保障など課題は山積みだ。だが、それらに着手する前に内閣支持率は各種調査で40%台前半と低迷。何もしてないうちから、なぜ厳しい評価が下るのか? 世論はどのように作られているのか?


揚げ足取りで支持率急落!?

――今回は、ここまでのところ圧倒的に辛口な評価を受けている石破茂内閣についてです。苫米地博士は、石破内閣はマスメディアの偏向報道によって、国民から正当な評価を受けていないという考えだそうですね。

苫米地 マスメディアというか「主流派メディア」ということだよね。その説明は後ほどするけど、その中でも、テレビや新聞はオールドメディアとか呼ばれて、力をなくしてるように思われているけど、それは大間違い。彼らは日本人向けの情報操作のポイントを押さえているからね。

――情報操作?

苫米地 そう聞くと、さも緻密なことをしてそうだけど、そうじゃない。ファクトを並べて、論理的に石破総理を批判するならまだしも、要は誰もが情動的に反応する揚げ足取りをやっているだけ。たとえば、11月の出来事でいえば、トランプさんと初の電話会談で5分しかもらえなかったとか、何度打診しても会ってもらえないってことでしょ。あとは、この前のAPEC (アジア太平洋経済協力)首脳会議でほかの首脳が挨拶をしているのに一人でスマホをいじっていたとか、座ったままで握手したとか。

――「国際会議に慣れてないからマナーを知らない」「こんな首相で日本人として恥ずかしい」とか批判の嵐でした。

苫米地 習近平さんとの会談の時だって、結局は挨拶や握手に関する批判。習近平さんは右手なのに、石破さんは両手を出して握りしめたのが格下に見えるとかさ(苦笑)。そういう感情を抱くのは自由だけど、我が国の総理を評価する上で本質的な議論かな。そもそも外国の首脳たちはそんな石破さんに対して「失礼なやつだ」とかは思っていないはず。それより、日本の首相に会って彼らが考えることは「日本はいくら出してくれるの?」っていうカネの話。でも、そこに関する話は出てこないよね。それは今回のAPEC首脳会議が全然まとまらなかったからで、石破さんのせいじゃないよ。要は、政治を知らない人でも「石破はダメだ」という烙印を押しやすい素材ばかりを見せつけて、世論形成をする。オールドメディアといっても、彼らの報道はネットでも配信され、SNSで拡散されるわけで十分な影響力を持っているわけだ。

――それは少し感じていました。日本のメディアが得意とする手法だなと。

苫米地 まさにこれが日本の主流派メディアの昔ながらのやり方。じゃあ、主流派メディアって何?って話でいうと、たとえば、どことは言わないけど、保守的な論調で売ってきた新聞社を頂点するメディアグループだよね。それもひとつではない。ただ、実は彼らは今、反主流になってるんだよ。

――主流派が反主流!?

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