sejuの躍進とインフルエンサーの台頭 グラビアアイドル事務所の世代交代

(右上から時計回りに)桑島海空、今森茉耶、榎原依那、本郷柚巴。4人ともsejuを代表する看板グラドルたち。ほかにも川口葵や大熊杏優の活躍も目立つ。

芸能界には大小さまざまな事務所が存在するが、「グラビアアイドル」の所属する事務所は世代交代の真っ最中。ここ数年で誕生した新興勢力が、一時代を築いた老舗プロダクションを出し抜こうとしている。果たして今、グラビア界の覇権を握っているのはどの事務所なのか?

アイドルという存在は多様化を遂げていき、特に「グラビアアイドル(以下、グラドル)」は、新興勢力の台頭によって、業界の手法や勢力図に大きな変革が訪れている。

例えば00年代のグラビア業界は小池栄子が所属したイエローキャブや、小倉優子が所属したアバンギャルドなどが一時代を築いたが、現在は当時活躍したような「専業グラドル」の数が減っているという。ライター、グラビア評論家の徳重龍徳氏は、こう解説する。

「最近はグラドルと名乗らずに、グラビア活動をするタレントが人気を博しています。同じ水着になるならば、肩書は『コスプレイヤー』や『インフルエンサー』のほうがいいのです。というのも、グラドルと名乗ってしまうと、どうしても“安く”見られてしまい、女性人気も得られません。また、表紙やデジタル写真集の売り上げを見ても、純粋なグラドルの売り上げは伸び悩んでいるそうです」

確かに雑誌のグラビアページを開けば、“SNSフォロワー◯◯万人”や“TikTokで◯◯◯万回再生”といった見出しが躍る。

そして、この押し寄せるインフルエンサーの波にうまく乗って、大躍進を果たした事務所もある。それがsejuだ。グラビア誌編集者は、こう語る。

テレビに引っ張りだこの元・テレビ東京アナウンサーの森香澄もsejuの所属だ。

「同社は元・テレビ東京アナウンサーの森香澄やインフルエンサーのなえなののみならず、桑島海空、『ミスマガジン2023』グランプリの今森茉耶、元・NMB48の本郷柚巴、そして今年上半期にブレイクした榎原依那が所属しています。それぞれ、雑誌の表紙を飾れるレベルで、現在グラビア業界でもっとも勢いのある事務所です」

sejuはYouTuberたちが所属するGROVEが、2022年に始動させた芸能プロダクション部門である。つまり、設立からまだ2年しかたっておらず、まさに新興勢力なのだ。

「同社のタレントがグラビアで活躍する理由は、主に2つです。まず、事務所としてのイメージがよく、イマドキの若くかわいい子から『入りたい』と応募が集まることです。もともと、なえなのから始まった事務所ですが、近年は恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。』(ABEMA)出身者が多く、10代の間でsejuという事務所の知名度は高い。同社のプロデューサーに取材したところ、以前はSNSでインフルエンサーをスカウトしていたそうですが、今は応募が増えていることもあり、今後ますますかわいい子が集まりそうです。タイプの違う美女をそろえた同社は、かつてのオスカープロモーションの異名(美の総合商社)にならい『令和美女の総合商社』といえる存在です」(徳重氏)

インターネットで簡単に情報が手に入る時代ゆえ、金の卵たちから“逆指名”を受けるには、事務所のイメージ戦略は以前よりも重要なことである。

「2つ目は同社の母体がネット系の企業で、インフルエンサーを扱う現代的な事務所でありながら、古い芸能のいい部分はきちんと生かしている点です。その代表例が、雑誌のグラビアを使った若い女性タレントの売り出し方です。インフルエンサーの水着グラビアといえば、すでにSNSでセクシーさを売りにした人が多く、年齢も20代が大半ですが、sejuの場合は雑誌で初めて水着になることが多く、年齢も10代と若い。かつて、芸能事務所がやっていたグラビア戦略を踏襲しているのです。また、マネージャーも大手の芸能事務所出身で、きちんと芸能界のルールもわかっている。今昔の強みを生きかせている芸能事務所だからこそ、同社の躍進は必然だと思います」(同)

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