「週刊文春」やそのほかに申し上げたいこと デヴィ夫人のおごそかなる憤り

――バラエティ番組でのキュートな姿がお茶の間に知れているデヴィ夫人だが、夫人の真骨頂といえば、芯の強さ、行動力、そして激動の人生経験と国際感覚に裏打ちされた鋭い舌鋒、主張だろう。その揺るぎない振る舞いは、同調圧力に屈しやすく、叩かれ弱い日本人にとっては魅力であり、そして脅威でもある。そんなデヴィ夫人がこのところ、憤っていることといえば……。

(写真/小田駿一)

「私のエネルギーがどこから来ているかって言ったら、それは私の中の正義と怒りからなんですよ」

そう語り始めた夫人からは、テレビで見るのと同じオーラとともに、圧倒的なエネルギーが放出されている。

デヴィ・スカルノ。愛称はデヴィ夫人。細かな説明は不要だろうが、インドネシアのスカルノ元大統領第三夫人である。その媚びない姿勢と言動、さらにその年齢(なんと御年84歳!)を超越した美貌と体を張ったバラエティ番組での活躍に対して、お茶の間からの支持も強い。

一方で、そんな忖度ナシ、媚びナシで世界を舞台に生きる夫人が、ドメスティックな人々との“ズレ”から、しばしば軋轢や誤解を生んできたのも事実だろう。その発言が炎上を招くこともあった。だが、夫人自身は微塵も変わらない。

考えたことを口にし、思ったことを行動に移し、自身が正しいと信じた道を進む。シンプルだが、やり抜ける人は少ない。

それは最近、夫人を襲った「文春砲」に対する姿勢でも貫かれていた。

「あの記事のおかげで、コマーシャルを2本、予定されていたレギュラー番組も失いました。パーティなどに出席する際に、誰かの冷たい視線を感じることもあって、それは記事が関係しているのかなと思ってしまいます」

「あの記事」とは、昨年「週刊文春」(2023年9月7日号)に掲載された、「デヴィ夫人がモナコ慈善団体から1700万円を持ち逃げ イッテQから追放危機」を指す。同記事では、モナコ公国に本部を置き、社交パーティで集めた金銭を国連機関に寄付する慈善団体「アミチエ」の日本支部、一般社団法人「アミチエジャポン」にまつわるトラブルを取り上げている。夫人は同団体の代表理事を2022年から務めていたが、団体内における夫人の行動が「私物化」「乗っ取り」といった言葉で表現され、ウクライナ支援のための同国への夫人の渡航費用や物資輸送費用などをアミチエの資金より私的流用したと報じられた。さらに、アミチエから離れて活動すると決めた夫人が、1700万円の残高がある同団体の通帳を“持ち逃げ”したとも断じたのだ。

文春報道への夫人の反論と怒り

この記事をめぐり、今年2月、デヴィ夫人は「週刊文春」やアミチエの関係者らを名誉毀損および信用棄損の罪で東京地検に刑事告訴。さらに現在は、民事訴訟の準備も進めているという。

「具体的な反論は司法の場でしていきますが、アミチエの問題は、実行力のある私が代表になってさまざまな支援活動をスピーディに進めることに、他の理事たちがついてこられなかっただけのこと。渡航費用や物資輸送費用の捻出も、私の単独行動などと記事では主張していますが、理事たちと決めたことですよ。それをあとになって、『認めてない』とひっくり返してきた。そんな組織では真の人道支援はできないので、私は新しいアミチエを作りました。それに、持ち逃げなんてしませんよ。アミチエには私も計1100万円寄付していて、それも含む全額の口座を私が作りました。それについても、全残高を振り込むので、理事たちに新しい口座と新しい事務所の所在地を知らせてくださいといっているに、応えがないんです」

週刊文春VS夫人、この先どのような展開が待ち受けているか、それは法廷闘争に持ち込まれるわけだが、ご覧のように当該記事が掲載された「週刊文春」を手に「私はひとつも嘘をついてないし、後ろめたいことはしていない」と語り、余裕のポーズを取ってくれたその表情を見るに、週刊誌が書き立てることなど、夫人のスケールで測れば、単なる浮世のいざこざ程度なのだろうか。

「私はとても忙しいので、こんなことに時間を取られたくないんです。ただ、放ってもおけない。いちばん許せなかったのは、見出しの付け方、これですよ!」

夫人があらためて指をさしつつ憤るのが、見出しに躍る、“持ち逃げ”“イッテQから追放危機”という言葉だ。

「電車の中にある……中吊り? ああいうのとか、新聞広告にこの見出しを書かれることで、持ち逃げや番組の降板が事実のようにして伝わるんです。クエスチョンマークすらつけないんですから、これでは、完全に犯罪者。私の名誉と尊厳を傷つける、絶対に許せない行為ですよ」

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