【ARuM】満場一致でシーンのメインに据えたい男|サイゾーが推す次世代ラッパー

――忘れた頃にやってくる「天才」。分母が増えれば増えるほど、ジャンルが多岐にわたればわたるほど、遭遇する確率は低くなる。しかし、そこに埋もれぬポテンシャルを発揮するアーティストが、ARuMだ。

(写真/西村 満)

ヒップホップとの出会い

ARuM 生まれも育ちも(千葉県)柏市なんですけど、周りにヒップホップ聴いてるヤツなんか全然いなかったっすね。先輩の影響で中学1~2年くらいのときですかね、KOHHやANARCHY、ZORN、SALUとか……そういう音楽をまだヒップホップだと知らずに、身近な存在として聴いてました。高校に進学したらラップをやってる友達ができて、そいつもKOHHが好きだったんで、そこで初めてヒップホップって認識したんです。俺の過去の作品にも参加してるS$Pって名前でラップしてるヤツなんですけど、マジでぶっ飛んでる異次元の人間なんすよ。ただ、毎回刺激を与えてくれるから、なんか憎めないヤツで。そいつから「おまえもラップしてみろよ」って言われたんですけど、最初は「ラップは……違うかな」って感じたこともあって、むしろS$Pが作った曲のミックスとかエンジニアリングのほうに興味が向いて。もともと小っちゃい頃から機械をいじるのが好きで、それこそGarageBandから始まって、そこからLogicに移行して。

でも、ある時に1回試しにラップしてみたら……面白くてめっちゃハマっちゃったんすよね。そのときは「ラップがうまくなりたい」って気持ちよりも、とにかく曲を作る作業が楽しすぎて。それでいざ「世に出す」って決めたときに、「人から聴かれて評価される。自分のレベルがわかる」って感覚になって、もっとラップを突き詰めようと考えるようになりました。自分のラッパーとしての人格形成において影響を受けたのは、KOHHやZORN、ANARCHY……ほかにも小袋成彬や宇多田ヒカルとかですね。

家庭環境

ARuM 明るくはない家庭でしたね。小さい頃から父親がいないんですけど、小学校も中学校もずっと反抗期というか、そもそも家族全員が仲良くなかった。必要最低限の会話だけで、中高はほとんど家にいなかったっす。最近はわりと話すようになりましたけどね。小中は柏なんですけど、高校は東京の学校に行ったんですよ。その頃、地元が嫌いすぎて。でも、今は柏に戻ってきたんですけど、やっぱ生まれ育った場所は居心地いいっす。近くに友達がいることは、マジで一番大事だなって。「中学んときの同級生だった○○が、ARuMラップやってるって話したら応援するって言ってたぞ」とか、ホントありがたいっす。

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