ブームじゃなくリヴァイバル!? 入浴文化で考察するサウナ愛

──アートと融合した幻想的なサウナ空間が話題となったり、コロナ禍において個室(ソロ)やプライベート(貸切)空間を提供する施設が増えるなど、もはや一過性のブームとは言い切れなくなったサウナ。もしかして日本の入浴の歴史をさかのぼれば、そこに隆盛のヒントが隠されている……!?

「蒸し風呂が主流だった時代は、きっとこんな感じの入浴スタイルだったのであろう」の図。洗体やアカスリのお手伝いをする男性は「三助」、女性は「湯女」と呼ばれていた。(イラスト/おすじ)

2020年12月、フィンランド式のサウナ入浴文化がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界中のサウナ愛好家たちが喜びの声を上げた。ここ日本も同様で、老舗カプセルホテルのくたびれたサウナ室でおじさん同士が「サウナが文化遺産に登録だってね」と俎上に載せるほどだ。そんな年配者のみならず老若男女が入り乱れる空前のサウナブームだが、生粋のサウナ愛好家たちからは「コロナ禍でにわかサウナーたちは引退する」と言われていた。しかし、緊急事態宣言もなんのその、むしろにわかは中堅へと地位を向上させ、新規ユーザーが後を絶たない活況を見せている──なぜか? そこで、温泉大国と知られる我が日本における“入浴文化”に着目。温泉評論家であり、日本温泉地域学会会長を務める石川理夫氏の助言と共に、日本のサウナ入浴史を紐解いてみた。

まず、石川氏は著書『温泉の日本史』(中央公論新社/18年)で「温泉の恵みは縄文時代から」と記述している。もちろん、古代からサウナが存在していたとは考えられないが、“風呂”という習慣にサウナのヒントが隠されているかもしれない。石川氏に問う。

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2024.11.24 UP DATE

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