【DJ IZOH&NAOtheLAIZA】互いが“クラシック”と太鼓判を押したサウンドは、オマージュへと形を変える

――世界を制したターンテーブリストと、最先端のサウンドを構築する引く手あまたのトラックメイカーがタッグを組んだ。懐かしくも斬新な音楽の新しいスタイルだ。

(写真/黒瀬康之)

DJ IZOHとNAOtheLAIZA。かたやDJバトルの最高峰「DMC World DJ Championships」を制覇した世界王者。かたや般若をはじめ、ANARCHYやAK-69、果てはTWICEのプロデュースまで手がけるトラックメイカーで、これまでも共同制作などで交流のある2人。もともとはIZOHがソロ作を制作するにあたり、旧知の仲であるNAOtheLAIZAにマニピュレーションを依頼すべく声をかけ、制作はスタートするはずだったが、その間柄から軌道修正を図り、ついには連名のプロジェクトへと昇華した。

発端となったのは、NAOtheLAIZAが10年以上前に完成させたがお蔵入りとなっていた自身のビートアルバムの存在。すでに完成しているビートを素材の状態にバラし、IZOHがその素材をターンテーブリズムで再構築するというアイデアだ。そうして完成したアルバム『CLASICK』は、ある種“アブストラクト/ブレイクビーツ”というジャンルにくくられるサウンド。オーセンティックでありつつも、現在進行系のサウンドを多く手がけるNAOtheLAIZAのビートらしからぬ音だ。しかし、DJシャドウの名作「Organ Donor」を彷彿させる「So What」を「作っている過程で気づかないくらい自分に染みついている」(NAOtheLAIZA)という、そのシャドウやDJ KRUSHなど、彼のルーツに回帰するようなオマージュ作品となっている。それを再構築するIZOHの回答も同様だ。

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