コロナ禍での広告出稿減少などもあり、今や死に体となっている印象のテレビ局。NHK放送文化研究所が5月に発表した「2020年 国民生活時間調査」の調査結果によると、5年前の調査では85%いた「1日にテレビを見る人」の割合は79%になり、6ポイント減少。16~19歳では47%と半数を下回るなど、テレビに接する若者が少数派になっている。
しかし、その一方で良い兆しも。それはローカルバラエティ番組のインターネットでの人気獲得だ。「相席食堂」(朝日放送)、「太田上田」(中京テレビ)、「ゴリパラ見聞録」(テレビ西日本)など、例を挙げると枚挙に暇がなく、多くのローカル局制作の番組がTVer、Amazon Prime、Paravi、GYAO!、Huluなどの配信サービスのほか、動画共有プラットフォームであるYouTubeで配信され、ファンを獲得している。
かつては地方局を潰すと考えられていたネットだが、むしろその発展を享受して経営を続け、最終的にあらゆる地方局コンテンツが全国で視聴できる……。そんな平和な時代の到来に期待してしまうところだが、果たして実際はどうなのだろうか?
そこで、これからの「インターネットと地方局の関係」を元NHK放送文化研究所主任研究員兼解説委員室解説委員で、現在は次世代メディア研究所代表を務めるメディアアナリストの鈴木祐司氏の話をもとに探っていきたい。