――「黒のダイヤ」ことオオクワガタのブーム以降、飼育者が子どもから大人に変わったことで、昨今は外国産の昆虫が高価格で取り引きされるようになった。しかし、その結果として、原産国では密猟や乱獲まがいの行為が行われているという。外来種が日本に輸入されることで、日本の生態系への影響も気になるが、他方でこのような昆虫ビジネスで日本は世界に迷惑をかけている?
今でもとんでもない額で取り引きされているクワガタ。
1990年代後半より始まった日本産オオクワガタや、外国産クワガタを中心とした飼育・販売のブームは、大型個体が高値で取り引きされるなど各所で話題となった。
ひと頃のブームが落ち着いたとはいえ、今なおペットとしてカブトムシやクワガタを飼う人は多く、今年3月には生きたカブトムシを無許可で国外に持ち出そうとした邦人男性がブラジルで逮捕される事件も起きた。
高額取り引きされることから、原産地ではこのような密猟や乱獲まがいの行為が横行しているケースが多発しているが、こうした昆虫ビジネスは日本や現地の生態系にどのような影響を及ぼしているのか? 『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)などのテレビ番組でもおなじみの国立環境研究所の五箇公一氏(生物・生態系環境研究センター室長)に解説してもらった。