“読モ”システムは消え“総選挙”で争わされる……勢いづく「Popteen」モデルたちの未来が決して明るくはないワケ

――かつては益若つばさをはじめ“ギャルのカリスマ”が牽引した雑誌「Popteen」。一時期の低迷を乗り越えて、再び勢いに乗っている。テレビで活躍する現役モデルも増え、女子中高生の人気を一身に集める彼女たちだが、その未来は決して順風満帆とはいえないようで――。

「Popteen」2020年11月号。40周年記念号として、舟山久美子ほかOGモデルたちが誌面に登場している。

 この10月で創刊40周年を迎えたティーン誌「Popteen」(角川春樹事務所)が、再び勢いづいている。

「AbemaTVの恋愛リアリティーショー『オオカミちゃんには騙されない』出演で人気を集めた浪花ほのか、同じく『太陽とオオカミくんには騙されない』で人気を得て現在は『トリニクって何の肉!?』(朝日放送)ほかレギュラー番組複数の生見愛瑠、今夏で専属モデルを卒業した『仮面ライダーゼロワン』のヒロイン・鶴嶋乃愛など、注目株の女性タレントが続々と出てきてるんです。部数こそライバル誌『Seventeen』(集英社)には敵いませんが、一時の停滞を抜け出して完全復活を印象づけています」(女性誌編集者)

「Popteen」といえば、“つーちゃん”こと益若つばさや“くみっきー”こと舟山久美子といったカリスマ読者モデルが人気を牽引していた時代で印象が止まっている読者諸兄も多いかもしれない。益若つばさが表紙を飾った号が40万部売れたり、紹介した商品が飛ぶように売れたり……といった“読モブーム”最盛期を彩った雑誌であることは間違いないだろう。

「2000年代終盤がギャル系読モブームのクライマックスで、その後は下降線をたどっていました。『Popteen』も2010年代に入ってからは正直パッとしない時期が続き、“お姉さん誌”『PopSister』が創刊1年で休刊になったことも。元気を取り戻してきたのは、2014年に編集長が交代してからです」(同)

 ここで編集長に就任したのが、「小悪魔ageha」の姉妹誌的存在「Happie nuts」(共に当時インフォレスト)の編集長を経験していた森茂穂氏だ。森編集長は「Happie nuts」の売り上げを回復させた手腕を買われて、異例のフリーランスからの抜擢となった。「Popteen」を「カウンターカルチャーの雑誌」と位置づけ、当時世間ではナチュラルな可愛さが流行りだった中で「個性があって可愛い」を追求する方向性に切り替えたと語っている。

「その代表が奇抜なファッションや独特の価値観を持つ原宿カルチャーです。それまでは渋谷が流行の発信地でしたが、街を見渡すとターゲットにしていた年齢層が少ないと思ったんです。ただ、原宿には制服で遊んでいる女の子が非常に多かった。雑誌として打ち出したい文化と時代性が合っていると感じたんです」(17年7月6日開催イベント「COMPASS Secret Salon」にて)

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