「ウィッツ青山」事件の“本当の問題”とは――中学受験の過熱で不登校が増加? N高ほか「広域通信制」高校の伸長

――学校法人ドワンゴ学園によるN高等学校がしばしばメディアで取り上げられ、大きな注目を集めている。この学校を含めた「広域通信制」高校の生徒数がどんどん増えているというが、それはなぜなのか――。実情を冷静に見ていくと、私たちの社会が向き合うべき学校教育をめぐる本当の“課題”が浮かび上がってきた。

最近、何かと話題のN高は生徒数が爆増している。その理由とは――。

 2016年に開校された、学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高等学校(以下、N高)。初年度の入学者数は約1500人だったが、20年春時点で在校生数は約1万5000人にも膨れ上がっている。新入生にVRヘッドマウントディスプレイを装着させた奇異な入学式や、東大・京大合格者の輩出、コロナ禍に際して関連のオンライン授業サービス「N予備校」の1年にわたる無料開放……といったことでも話題を集めてきた。

 そんなN校は私立の「広域通信制」高校に分類されるが、実はN高に限らず、その生徒数は四半世紀にわたって右肩上がりだ。

 高校には、平日に毎日・日中に通う「全日制」と夜間に通うことが多い「定時制」、通信教育(在宅学習)をベースとして年に数回程度のスクーリング(学校の教室で教員の授業を直接受けること)、レポート、試験によって単位を認定する「通信制」がある。そして、通信制には「広域」と「狭域」があり、前者は3都道府県以上から、後者はひとつ、またはそれに加えて隣接する都道府県から生徒を募集する高校を指す。こうした通信制に通う生徒は、広域/狭域、公立/私立を合わせると約20万7000人(令和2年度「学校基本調査」)。高校生の20人にひとりは通信制の生徒なのだ。

 では、なぜ、N高をはじめとする私立の広域通信制の生徒数は増加したのか――。

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2024.11.24 UP DATE

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