AIがインターネットを根底から揺さぶるとき、私たちはインターネットを愛し続けられるのか

通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

●年齢階層別インターネット利用の目的・用途(複数回答)
(出典)総務省「通信利用動向調査」

――暗雲どころか真っ暗闇な状況に突入しつつある2020年のニッポン経済。成長の柱となるはずだったデジタルトランスフォーメーションも遅々として進まず、いまだに「紙にハンコ」が欠かせない有り様。そしてデジタル時代の主役である肝心要のインターネットも、フェイクニュースどころかあらゆる分野でフェイクが満ちあふれて、その信頼が根底から揺さぶられている。さあ、2020年は一体どうなる?

――今月は、毎年恒例の担当編集と共に1年を振り返る、まとめの回です。この連載も丸6年を過ぎて、連載陣の中でも長老クラスになってきました。

クロサカ 6年間やってきて、これまで連載を一度も落とさなかったのは、担当編集をはじめとして編集部や関係者の皆さんのおかげです。ありがとうございます。これも毎年言っていますが、本当に時間が過ぎていくのが早くなっていて、前回の折田先生はお話の内容まで覚えているんですが、前々回となるとすでに記憶がかなり曖昧に……。

――12月号は木暮先生と5Gについて、かなり話し込んでいたじゃないですか! でも、19年を通しての感想は、取材に同席していて「こんなことまで言っていいの?」って思うくらい、対談相手の方が突っ込んだ話をしてくれることが多かったのが驚きでした。

クロサカ 皆さん、日本に対して鬱憤が溜まっているんでしょう。駄目なところに対して、皆でちゃんと怒って、変えていかないといけないと改めて思いました。

――11月号の川端さんは、日本の会社社会の駄目なところとして、人事制度をはじめその根幹にある仕事の仕方や働き方について指摘されていました。

クロサカ 人事制度って、どうしても個別具体的な話になってしまって、一般化しづらいので、皆が議論を避けがちなんですよね。「言いたいことはわかるんだけど」ってなってしまう。でも、ドイツと日本の両方で活躍されていてJALの再生にもかかわったオリバー・ボルツァーさん【1】と別件でお話しした際、「日本社会でまず変えるべきは人事と雇用」だとおっしゃっていました。彼にもいずれ対談をお願いしたいなあ。

――人の一日の活動時間のうち、約半分が仕事で占められていて、ここを「つまらない」と感じている人に対して、仕事へ積極的に貢献しろといっても酷な話です。一方で、仕事へのやる気を失った人が身近にいると、周囲への悪影響もありますよね。だから、その人だけの問題じゃないんだな、というのはわかります。

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