【クロサカタツヤ×折田明子】超複雑化したプライバシー問題、生まれてから死ぬまでデータを生み出し、振り回される私たち

通信・放送、そしてIT業界で活躍する気鋭のコンサルタントが失われたマス・マーケットを探索し、新しいビジネスプランをご提案!

●学校・家庭でのルールとフィルタリング状況
(出典)平姓30年総務省「平成29年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」より

――ある日、その主が死を迎えたSNSのアカウントは、いったいいつまで残り続けるのか。フェイスブックですら日本でサービスを開始して10年を過ぎ、そこには大量の投稿や写真だけでなく、友人・知人との交流の跡も多く残される。アナログ時代なら、日記やアルバムにまつわる問題だったのが、デジタルかつネットワークの時代は、本人だけでなくまだ生きている他人の問題でもある。一気に複雑さが増した今の時代、死者のプライバシーの問題はいったいどんなふうに解くことができるのか。

クロサカ 今月のゲストは折田明子さんです。折田さんはネットリテラシーやプライバシーの研究者で、かつてはブログ、今でもツイッターなどソーシャルメディアでも活発に発言されていらっしゃいます。

折田 私が、いまメインで取り組んでいる研究のひとつは、青少年のネット教育です。青少年のネットリスク低減のためのプロジェクトに参加してまして、中高生を対象に新しいアプローチの教材や教育法の開発をしています。もともと専門は、教育そのものではなかったのですが。

クロサカ 今まさに子育て中の身としては、非常に気になるテーマです。

折田 ネットに関する事件が起きると、中高生はリテラシーが低いとか、個人情報を守らないとか、いろいろ言われますよね。でも、それって本当なのかと個人的に思っていました。アメリカのダナ・ボイドという研究者の調査では、子どもは大人とは違うプライバシーの枠組みを持ち工夫していることが分かっていますし、OECDの研究会でも、発達段階に応じて少しずつ親から離れ、隠す部分が出てくるのは当然だという話がありました。

クロサカ 言われてみれば当然ですよね。

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