【クロサカタツヤ×木暮祐一】もはやiPhoneですらつまらない? 黎明期を知るモバイル研究家に聞いた5Gへの期待と不安

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●世界のドローン市場規模の推移及び予測
(出典)IHS Technology 平成30年度版『情報通信白書』より。

――毎年発売されるiPhoneは、スマートフォンの代表機種。iPhoneに搭載された新機能が他の機種にも搭載され、業界のスタンダードになっていった例はいくつもある。だから、ケータイのジャーナリストやマニアには、iPhoneを必ず発売日に買う、という人が少なくない。ところがモバイル研究家の木暮さんは、iPhoneXから「即買い」をやめてしまったのだという。長らくケータイ業界を見てきた木暮さんは、5G時代を迎えようとするこの業界の今とこの先をいったいどう見ているのか?

クロサカ 今月のゲストは、モバイル研究家の木暮祐一さんです。木暮さんは、ケータイ業界の編集者やジャーナリストを経て、現在は青森公立大学の准教授としてICTに関する研究や教育に従事されています。長らくケータイ業界を見ていらっしゃいますが、最近の動向をどうお考えですか。

木暮 この30年で、ケータイが「なくてはならない」という生活必需品を通り過ぎて、「空気のようなもの」になってきました。僕がケータイに興味を持ったのが大学生時代で、固定電話が当然だった世界にショルダーホンが出てきて「なんだこれ!?」と世界が変わったわけですよ。それから、ほぼ趣味で追いかけてきて、新製品が出れば初日に買って、新サービスが始まれば初日に試していました。ところが、とうとうiPhone Xは初日に買いませんでした。「もういいや」と思ってしまって。

クロサカ その30年の間で、スマートフォンの発売はかなりエポックメイキングな出来事でしたよね。

木暮 はい。iPhoneはそれまでは初日に全部手に入れてきましたが、iPhone Xでもういいよね、というところに落ち着いてしまったんです。

クロサカ それは、スマートフォンの進化が落ち着いてきたということですか。

木暮 そうです。通信デバイスとしては、スマートフォンとは違う形で進化をするデバイスが出てきたので。例えば、モバイルではないですがソフトバンクのPepperもそうです。ただし、ものすごいポンコツでした(笑)。私は、「1分で売り切れた」と言われている最初の一般販売で購入し、青森での納品第1号だったんですが、今では研究室でほこりをかぶっています。

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