【釈迦坊主】「人として終わってた」オーバードーズで死にかけた元ホストのラッパーが闇の中で見いだす光

――新世代のラッパーが舞台に上がり、若い観客がフロアを埋める「TOKIO SHAMAN」というパーティがある。その首謀者であり、暗鬱で幻想的なラップ・ミュージックを生み出す釈迦坊主とは、何者か?

(写真/田川雄一)

 SF、ゲーム、メタル、ゴシック、スピリチュアル、オカルト……。それらを下支えし、統一感を与えるのはトラップという現行ヒップホップの骨組みだ。ラッパーの釈迦坊主が昨年11月に発表した初アルバム『HEISEI』は、そんなメルティング・ポットからまったく新しい音楽を現出させた傑作だった。

「もともとメタル好きで、掘っていくうちに特にゴシック的、プログレ的なものに惹かれたんです。それと同じく、THA BLUE HERBやMAKKENZのような内面性を文学的に歌う日本のラッパーを知り、ヒップホップの持つ振れ幅に触れた気がして衝撃を受けました」

 そんな釈迦坊主は、いささかニヒルに現代をこう評してみせる。

「メンヘラがブランドになる不健康な世代/suicide, die young, sippin codeine みんな首吊りたい/また電車に飛び込むJK SNSでライブ/クズがビジネスになる新時代」(「Tokyo Android」)

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2024.11.21 UP DATE

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