全国の祭りに高橋洋子が出演!?――盆踊りに「使徒」襲来

――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

写真は昨年の様子だが、去る8月11~12日に行われた第7回中野駅前大盆踊り大会では、高橋洋子が満を持して「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPIRIT」を披露(したはず)。(写真/大石慶子)

 ここ数年、盆踊りのトレンドは次々に更新されている。櫓の上にDJブースを組むDJ盆踊りは、今や日本各地で見られるようになったし、昨年TRF「EZ DO DANCE」やボン・ジョヴィ「Livin' On A Prayer」が盆踊り化されたことに象徴されるように、盆踊りにはありとあらゆる楽曲が持ち込まれ、もはや「なんでもあり」の状態になっているともいえる。

 そんな2019年夏、盆踊りに新たな楽曲が採用された。それが高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」だ。テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のオープニング曲として制作され、95年のリリース後も絶大な人気を誇るこの曲は、なぜ盆踊りに導入されることになったのだろうか? 今回はその背景にあるものを考察してみたい。

 もともとのきっかけとなったのは、高橋洋子が今夏の青森ねぶた祭に参加することとなり、和太鼓アレンジによる新バージョン「残酷な天使のテーゼ MATSURI SPIRIT」が制作されたことだ。来年6月には『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の公開が予定されていることから、各地でエヴァンゲリオン関連イベントも行われているが、7月から8月末にかけては青森市でも大規模な「エヴァンゲリオン展」が開催される。そのタイミングに合わせ、ねぶた祭にも高橋洋子が出演することになったわけだ。

 同祭に先駆け、7月24日には同曲がシングルとしてリリースされ、発売レコード会社が「非営利目的に限り音楽使用を開放」したことから、各地の盆踊りでの使用も可能に。東京丸の内盆踊りや中野駅前大盆踊り大会でも高橋洋子本人が登場し、新たな装いの「残酷な天使のテーゼ」を熱唱した。

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