戦場の実態にもっとも肉薄できるメディア――映画関係者やラッパーが推す! 戦争ドキュメンタリー傑作選

――戦争の実態を鮮明に残す“戦争ドキュメンタリー”。「戦争」そして「平和」を考える上で、こうした映像を足がかりにするのは有効な手段だろう。そこで今回は、識者らが国内外問わず名作を選りすぐり。今こそ見るべき戦争ドキュメンタリーをナビゲートする。

『戦争と平和(一)』(新潮文庫)

 終戦から70年以上がたち、戦争体験者の人口が減る中で、後世に“戦争”をどう伝えていくか――。

 いま日本が抱えるこの課題に、ひとつ有効なのが「戦争ドキュメンタリー」の映像たちだろう。資料館に足を運んだり、分厚い本を読み切るのは少々ハードルが高いが、映像ならば、この夏に1本くらい鑑賞できるはず。

 さらに、フィクションではない、“ドキュメンタリー”という手法だからこそ、炙り出すことのできる生々しい戦争の傷跡は、我々に今一度「平和」の意義を教えてくれるはずだ。

 そこで今回は、映画監督である塚本晋也、想田和弘、宮崎大祐、ラッパーのKダブシャイン、イスラーム映画祭主催の藤本高之という5名の識者をお呼びだてして、それぞれが選んだ“ベストドキュメンタリー”について解説してもらった。ベトナム戦争を描いたアカデミー賞受賞作から、最新の撮影方法で戦場に肉薄した作品、アメリカの真実を描いた有名監督作に、NHKが作った隠れた名作など、国内外問わず優れた戦争ドキュメンタリーを厳選。印象的なシーンや見所について独自の視点で語ってもらうことで、本誌ならではの「戦争ドキュメンタリー」ガイドが完成した。

 クリエイターでもある5名は、果たして戦争ドキュメンタリーから何を得て、自身の作品や活動にどういった影響をもたらしたのだろうか。

【想田和弘】元ナチスの証言を盗撮しGoProで戦場を撮影
【塚本晋也】優れたドキュメンタリーは“いいトラウマ”を与える
【宮崎大祐】異常な暴力が続くインドネシア宗教戦争
【Kダブシャイン】独自の解釈で紐解く自国の歴史への反省
【藤本高之】中東紛争の現実に肉薄する作品

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2024.11.21 UP DATE

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