与党過半数の下馬評はいかに?
7月4日公示、21日投開票のスケジュールでスタートした『第25回参議院議員通常選挙』。公示日後、早くも各メディアは「与党過半数」を報じ、7月上旬現在、野党にとってはいささか風向きが悪くなっている。だが、“与野党足の引っ張り合い”ウォッチャーを自認する本誌としては別の視点で、選挙の見どころを解説してみたい。
総務省の公式HPより。
総務省の中に「選挙部」【1】と呼ばれる部門がある。国政選挙の運営管理を任され、部長ともなれば総務省の出世街道を駆け上る、重要なポストだ。この部門から最近、こんな不穏な本音が漏れるようになってきた。
「好ましくない事態を想定せざるを得ない。最悪、選挙無効の訴訟や、逮捕者を出すかもしれない」
目の前に迫った参院選の投開票(7月21日)をめぐり、各地の投票所で不正や不祥事が続発するのではないかと選挙部が気をもんでいるというのだ。
実際、4月に行われた統一地方選では、各地で投票用紙の交付ミスが続発。さらには、「投票者の数と投票用紙の総数が合わない」と慌てた市の集計担当職員が、データ操作に手を染め、選挙そのものが無効になりかねない事態も起きていた。大手紙の政治部デスクの話。
「そうでなくても、6年前の参院選で大がかりな不正事件(後述)が明るみになり、次々と逮捕者が出る空前の不祥事が起きている。総務省選挙部の不安は、杞憂ではないんだ」
早速、4月の統一地方選の不祥事を、ここでつぶさに見ておこう。