祭りは何のために行われるのか――罵声飛び交う三社祭の醍醐味

――21世紀型盆踊り・マツリの現在をあらゆる角度から紐解く!

去る5月中旬に開催された三社祭。今年の来場者も非常に多く、外国人観光客や子ども連れの家族の前でもコワモテ同士が罵りあうさまは、もはや伝統芸か。(写真/大石慶子)

 東京を代表する祭り「三社祭」の舞台であり、浅草四十四ヶ町の氏神である浅草神社(東京都台東区)に関する、とあるニュースが先ごろ話題となった。

 平成31年4月27日から令和元年5月6日にかけ、浅草神社では「平成」「令和」の文字が記された特別御朱印の配布を計画。折からの御朱印ブームもあってか、神社側の予想を大幅に上回る希望者が殺到した。長時間待った結果、御朱印を手に入れられなかった来場者からクレームが寄せられ、大きな混乱を招いた。そのため、今年は5月17日から19日にかけて執り行われる「三社祭」での特別御朱印の配布を見合わせることになったというニュースだ。

 浅草神社のフェイスブックページに公開された投稿によると、そのクレームはかなり激しいものだったようで、「暴言・恫喝また暴力に近い行為に及ばれる方、 1人の職員を取り囲み罵声を浴びせられる方々、(中略)『こっちはお客さんだぞ』と仰る方(中略)など、その時その時の対応を批判される方々が何人もいらっしゃいました」という。

 近年、全国的に巻き起こった御朱印ブームにより、多くの人々にとって神社がより身近に感じられるのは決して悪いことではない。その一方で、レア度の高い御朱印や参拝証明書をネットオークションやフリマアプリで転売するケースも増えており、関係者の間ではブームに対する懸念が高まっていた。

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