令和に引き継がれた懸案事項――国民総小姑化する小室家問題「女性皇族とご結婚する」こととは?

――4月下旬から5月上旬にかけて、改元報道がメディアを彩った。無論、その多くは祝福ムードであった。新しい時代が始まった今、皇族の結婚と将来という問題にも、日本人は正面から向き合う時期ではないだろうか? 週刊誌などで報じられる“小室圭さんと眞子さまの行く末”を中心にみていきたい。

『皇族―天皇家の近現代史』(中公新書)

 実に202年ぶりとなった、天皇の生前退位。「平成」の終わりと「令和」の幕開けは、昭和天皇の崩御に伴って行われた平成への改元のときとはまったく違った、国民挙げての祝賀ムードの中で行われた。

 この代替わりの前後に、慶事に影を落としたニュースがまったくなかったわけではない。4月26日、お茶の水女子大学附属中学校の悠仁さまの机の上に、棒にテープで固定された2本の刃物が置かれていたという事件で職業不詳の男が送検されたのは、奇しくも新天皇の即位の儀式である「剣璽等承継の儀」と「即位後朝見の儀」が行われた5月1日であった。男は天皇制を批判する供述をしているというが、新時代の訪れを国民全体が喜ぶムードの中で、この男の考えに関心を持つ日本人はほとんどいなかったと言っていいだろう。5月4日に行われた一般参賀では、皇居前に集まった14万人以上の人々が皇室に敬愛の意を表し、祝福した。

 そんなめでたい代替わりの中、平成から令和に持ち越された懸案事項といえば、やはり秋篠宮家長女眞子さまと小室圭さんの結婚問題だろう。そもそも、2人の婚約内定会見が行われたのは、平成29年9月3日。発表されていた結婚式の日取りは平成30年11月4日で、当初の予定ならすでに結婚していたはずなのだが、その後、小室圭さんの実母による金銭問題が浮上、結婚が延期されたのは周知の通り。

 皇室制度史が専門で『皇族』(中公新書)などの著書がある、静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次氏は、こう語る。

「秋篠宮さまは平成30年11月30日の誕生日会見で、眞子さまと小室圭さんの結婚問題について、『多くの人が納得し喜んでくれる状況にならなければ、婚約にあたる納采の儀を行うことはできません』と述べました。皇族でも一般市民でも同じですが、熟慮の末の結婚であっても、その後どんな問題が出てくるかは予想しきれない。秋篠宮さまもお困りでしょうが、一番かわいそうなのは、一途に思い詰めている眞子さまですよね」

 改元をもって皇位継承順位1位である皇嗣殿下となられた秋篠宮さまの言う「多くの人の納得」とは何を指しているのだろうか? ネット上には眞子さまと小室圭さんの結婚は絶対認められないと、特に小室さんに対して罵詈雑言を浴びせる一部の人たちまでいる。だが、現皇室典範では、小室さんは皇室に入るのではなく、眞子さまが皇室を出て一般市民になるのである以上、本来は当人2人の合意があればそれで十分のはず。一体、皇族女性の結婚に求められる品格とはなんなのだろうか?

旧華族に嫁いだ昭和天皇の皇女たち

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