――すべてのビール党に捧ぐ、読むほどに酩酊する個性豊かな紳士録。
本誌のグラビアページを大いに気に入ってくれたレハクさん(44歳)。「EBINA BEER」は先の「ホリエモン万博」にも出展し、大好評を得たばかりだ。
世界でもっともビールを飲む国は、ドイツでもアメリカでもなく、チェコだ。さらに日本人にとって一番馴染み深いビールである「ピルスナー」を生み出したのもこのチェコとなれば、親近感が湧かないわけがない。
そんなチェコ出身のトーマス・レハクさんが、神奈川県海老名市で2年前にオープンしたのが「EBINA BEER」である。
レハクさんはもともと、世界トップ級のチューバ奏者。プラハ国立歌劇場管弦楽団やプラハフィルハーモニー管弦楽団などに参加し、20年にわたって各国のステージに立ってきた凄腕中の凄腕だ。おまけにマット・デイモン主演のイギリス映画『ブラザーズ・グリム』に出演したり、日本で一青窈のツアーに参加したり、はたまた人気RPG『ファイナルファンタジー』のサウンド制作に携わったりと、縦横無尽に活躍してきた演奏家なのだが、それがなぜ、こうして日本でビールを造っているのだろうか?
「2001年にツアーで初めて日本を訪れた際、きれいで安全な町並みに感激し、一気にこの国の虜になってしまいました。日本のことをもっと知りたいと思いましたが、当時は日本語がまったくわかりません。そこで誰かガイドしてくれる人がいないかと、インターネットで探し始めたんです」
そこで見つけたのが、現在の妻・史香さんだった。
面識のないまま1年ほどメル友状態を続けるうちに、すっかり意気投合した2人。当然、リアルでの邂逅を模索することになる。マッチングアプリ全盛の昨今からすると、ネット恋愛の草分け的存在と言ってよさそうだ。