――YouTubeはもとより、最近ではSHOWROOMや17 Live、TikTokなど、動画・ライブ配信サービスが破竹の勢いを見せている。VTuberがブームとなり、これらの事業を手がける企業への投資は国内外問わず盛んである一方、「投げ銭機能」の普及により、YouTuberだけでなく“ライブ配信で食べていく”一般人も登場し始めた。今、多くの“金が集まる”動画・ライブ配信について、その歴史からビジネスモデルまでを概観していく。
(イラスト/ぱいせん)
今、動画・ライブ配信プラットフォームがかつてない盛り上がりを見せている。2016年頃から「SHOWROOM」や「MixChannel」のほか、中国の「TikTok」、台湾の「17Live」といった動画・ライブ配信アプリが台頭を始めており、街頭広告やCMだけでなく、ワイドショーといったテレビ番組でもこれらアプリの特集が組まれているのを目にしたことがある読者も少なくないだろう。
こうしたライブ・動画配信アプリにおいて、活躍の中心となっているのは、アイドルや著名人ではなく、ごく普通の一般人だ。容姿の端麗さやトークスキルで魅せる者もいれば、とりとめのない雑談で人気を博す配信者も多数存在している。TikTokや17Live、MixChannelを覗いてみれば、そこらへんにいるような10代の少女がタレントやスターのごとき存在として扱われている姿を見ることができるだろう。例えば、16歳の女子高生である渡辺リサはTikTok上だけで700万人以上のフォロワーを抱えており、同年代の女子を中心に絶大な人気を誇っている。
また、16年頃にはLINEやインスタグラムといったライブ・動画配信機能を備えていなかったSNSでも、同様の配信機能が拡充された。このことからも、その需要の高さがうかがい知れる。
近年では、こうした動画・ライブ配信サービスに“投げ銭”機能が導入されることも増えてきた。視聴者が配信者に対して課金アイテムを贈ることで、配信者はその課金額に応じて収入を得られ、人気ユーザーの中には“配信で食える”者も生まれてきている。
こうした事例を踏まえ、本稿では、隆盛する動画・ライブ配信サービスを俯瞰しつつ、その“金回り”について、企業と個人、それぞれの観点から見ていく。