――「妊娠菌」や「子宮メソッド」、はたまた「月相と引き寄せの法則」など、近年、スピリチュアル界隈が盛り上がりを見せている。かねてより批判も根強い同業界は、常に“アンタッチャブル”なものとされがちだ。こうした社会的断絶を引き起こしているものは何か? 識者の言と共に、スピリチュアルの今を追った。
神話学から魔女、スピリチュアルコンサルタントなど…スピリチュアルざっくり分布図
本来、宗教的・精神的な物事の多くを含む「スピリチュアル」。近年、存在感を増すメソッドやジャンルを分布図にしてみた。【注:この分類方法は、鏡リュウジ著『魂の占星術への招待』(1998年)で紹介されたマップにサイゾー編集部が独自の解釈を加えたものです】
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2017年、フリマアプリ「メルカリ」で「妊娠菌」なるものが出品され、話題となった。不妊治療をしている女性向けに、妊娠・出産を経験した女性たちが手で触れるなどして「妊娠しやすくなる菌」を付着させた少量の米を販売。これが医薬品医療機器等法に抵触する恐れがあるとして、運営会社により削除されたという事件である。
こうした出来事が注目されるたび、ネットを中心に「スピ系女子」という言葉が飛び交う。「スピリチュアル」にハマり怪しげな商品を買いあさったり、あるいは高額セミナーに通ったりする女性は、常に揶揄の対象になってきた。
一方で、彼女たちの向こうにある「スピ系」の世界については、単に「ヤバい世界」として片付けられ、深く言及されない実情がある。
今回は、そんな“アンタッチャブル”とされがちな女性向けスピリチュアル文化とそのビジネス実態を中心に紹介。そして、その向こう側にある社会的断絶について、掘り下げてみたい。