カルトと麻薬が交錯した時代を総括!――教団製LSDは超キマる!“オウムとドラッグ”噂の真相

――90年代、一連の事件で世の中を震撼させたオウム真理教。教団の修行でLSDを使用していただけでなく、自ら製造したLSDや覚醒剤を販売していた!? オウムとドラッグをめぐる噂の真相を改めて探りたい。

(絵/小笠原徹)

 2018年7月26日、オウム真理教による一連の事件で死刑が確定していた6人の刑が執行された。同月6日には教団の元代表・麻原彰晃死刑囚(本名:松本智津夫)ら7人の死刑も執行されており、1995年3月に始まった教団への強制捜査から23年余りを経て、13人の死刑囚全員が刑に処せられたことになる。

 これを受けて、各メディアではオウム真理教を総括する企画が展開されたが、本誌ではあえてオウムとドラッグの関係に迫りたい。そのドラッグとは、覚醒剤とLSDである。オウムはこれら違法薬物を密造し、信者の洗脳や“イニシエーション”(本来は“秘技伝授”を意味する宗教用語だが、教団内では「解脱者のエネルギーを伝授することで弟子を成就、解脱させる」という意味で使用)に用いていた。また、当時の週刊誌などではドラッグの密売が資金源の一部となっていたと報じられた。

 実際、オウム製のドラッグはどの程度流通していたのだろうか? 裏社会に精通し、『実録 ドラッグ・リポート』(彩図社/03年)などの著書を持つ作家・編集者の草下シンヤ氏は、こう話す。

「オウム製のドラッグをやっていた人間に何人か取材したことがありますが、流通していたのは、やはり主に覚醒剤とLSD。ただ、両者の評価がまったく違う。まず、LSDは評判が非常によく、ばっちりキマって、きっちり6時間で抜けると仲間内でも重宝していたそうです」

 LSDは通常、液状のLSDを染み込ませた紙にミシン目を入れた切手シートのような形状で流通しており、ミシン目に沿って切り取った数ミリ四方の紙片を舌の裏に挟んで摂取する。その紙片にはさまざまなイラストが印刷してあり、オウム製のLSDには教団のシンボルマークが印刷されていたという。

「オウム製のLSDは6枚綴りのシートで、2万円前後で売られていたそうです。これはワンヒット(紙片1枚)あたり3000~4000円なので、当時の相場と大体一致する。オウムはイニシエーションと称してLSDを溶かした水を信者に飲ませていたようですが、何も知らない信者はLSDによる幻覚作用を神秘体験だと錯覚してしまうでしょうね。普段とはまったく違う世界が見えるわけですから」(草下氏)

オウム製の覚醒剤でゴジラになれる!?

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